リアル店舗の使い方がカギ!家電のベストバイが完全復活した驚きの戦略とは

解説・文:福田 稔、西山 和希(ローランド・ベルガープロジェクトマネージャー)
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変革を続ける北米最大の家電量販店

接客をしているベストバイのスタッフ

 アマゾン(Amazon.com)などの大手ECが跋扈(ばっこ)し、BtoC市場のEC化率が日本の2倍以上と言われる米国において、過去5年間で年間約5%の売上成長を遂げているのが、家電量販最大手のベストバイ(Best Buy)である。1983年に前身の音響機器専門店から家電量販店に業態転換した同社は、当時革新的であった販売員のノルマ廃止、市場ニーズに沿った店舗フォーマットの度重なる開発、出店エリアの経済状況などに鑑みた価格帯の商品の提案といった取り組みで、業界最大手に上りつめた。現在ベストバイは1000店舗超を運営しており、日本円にして約5兆円に迫る売上高を誇り、その9割以上を米国1カ国で稼ぎ出している(米国以外ではカナダやメキシコで事業を展開)。

 同社の継続的な成長は2つの大きな仕掛けによる。1つめは、業績不振からの再成長をめざし2012年以降推進している一連の変革プログラムにおいて、店舗価値を徹底的に顧客目線で見直し、“ベストバイのファン”を着実に増やしていることだ。これは、

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