ボジョレー・ヌーボー解禁、コロナと天候「二重苦」の仏でも祝賀
[パリ 18日 ロイター] – フランス産ワインの新酒「ボジョレー・ヌーボー」が18日に解禁された。仏国内では新型コロナウイルスの行動制限でたまった憂さを晴らそうと、各地のバーにワイン愛好家が集まった。
11月第3木曜日に行われる毎年恒例のイベントは、ボジョレー地方のワイン生産者が1960年代に始めたもの。パリのレストラン前では、オーナーが無料でボジョレーを振る舞い、「これまでの危機を乗り越え、復興の日と呼べる日があるとすれば、きょうだ」と喜んだ。
今年はぶどう畑が春季の霜やひょう、病害の被害に見舞われ、フランス国内のワイン生産量は統計開始以来最低となる見込み。農務省は、全土で過去5年平均を25%下回る生産量になると予想しているが、中でもブルゴーニュのボジョレー地区は半分近く減少しそうだという。
ただ、ボジョレー生産者ジュリアン・レヴィヨン氏は、「困難な時期こそ伝統を手放さないもの。戦争中であってもクリスマスを祝いたいし、パンデミックであってもボジョレー・ヌーボーを祝いたい」と前を向いた。
パリ在住のマリー・フランソワーズさん(90)は今年の新酒の出来について、最初は酸味が強過ぎると感じたが、2回目の試飲で考えが変わったとし、「良いワイン。これ以上のボジョレーはない」と語った。