中国当局、配車最大手の滴滴を独禁法で調査=関係筋
[香港 17日 ロイター] – 中国の国家市場監督管理総局(SAMR)は、配車サービス国内最大手の滴滴出行(ディディ・チューシン)について、独占禁止法違反の疑いで調査を開始した。事情に詳しい3人の関係者が明らかにした。同社は米国での新規株式公開(IPO)に向けて準備を進めている。
同社に対する独禁法調査について報じたのはロイターが初めて。中国当局はアリババ・グループ・ホールディングや騰訊控股(テンセント・ホールディングス)を含むプラットフォーム企業への締め付けを強めている。
関係筋によると、SAMRは滴滴について、規模の小さい競合社を市場から不公正に締め出す慣行があったかどうかを調べている。同社の中核事業である配車サービスの価格決定の仕組みに十分な透明性が確保されているかについても調査しているという。
同社はコメントを控えた。SAMRはコメントの求めに回答していない。
滴滴は先週公表された上場目論見書で、同社を含む中国のインターネット企業30社以上がSAMRを含む規制当局と4月に面会したと明らかにしていた。当局は各社に「自己点検」の実施と法令順守(コンプライアンス)を確約する文書の提出を求めたという。
当局は、独占や不公正な競争を禁止する法規制や税法に違反している可能性があるケースを特定し、是正策を講じるよう企業側に求めたという。
滴滴は、自己点検を完了し、「関係当局が立ち入り検査を行った」と明らかにした上で、当局は検査結果に満足しない可能性があり、罰則を科される恐れがあると警告していた。
関係筋によると、SAMRの調査は初期段階で、同社に対する細かい指導はまだ行っていない。
独禁法調査による米IPOへの影響は現時点で不明。IPOの規模は、中国企業による米上場としてはアリババによる2014年のIPO(250億ドル)以降で最大になる見込み。