ドアダッシュVSウーバー? 急成長する米フードデリバリー市場、大型買収でシェア争いが過熱!
今後はフードデリバリーを超えた競争も
ウーバーイーツを展開するウーバー・テクノロジーズ(Uber Technologies)では、コロナ禍でライドシェアサービスの需要が減少したことを受け、フードデリバリーへの注力を加速させている。その一環が、2020年7月に発表され、同12月に完了したポストメイツ(Postmates)との合併だ。
その影響もあり、19~20年のウーバー・テクノロジーズの事業セグメント別売上高(世界全体)を見ると、19年通年ではライドシェアが売上高全体の82%、フードデリバリーが11%であったものが、20年ではそれぞれ55%、35%となり、フードデリバリーへの注力が顕著となっている。なお同社は、同業の米グラブハブの買収を模索していたものの、交渉を打ち切っていた。そしてそのグラブハブは20年6月、欧州企業(オランダ・英国)のジャスト・イート・テイクアウェイ(Just Eat Takeaway)によって買収されているように、合従連衡が活発である。
フードデリバリー企業はラストマイル宅配を軸としてビジネス領域を拡大させており、それに伴った競争激化の様相もうかがえる。ドアダッシュは20年6月に米ドラッグストア大手のCVSヘルス(CVS Health Corporation)と提携し、同社商品のEC宅配を開始した。さらに8月にはネットコンビニを開設し、小売業に参入している。ウーバーイーツは21年2月に米酒類宅配業者のドリズリー(Drizly)を買収し、商品ラインナップを拡充。日本ではローソン(東京都)と提携し、ネットコンビニの宅配を実施している。
最大手のドアダッシュは20年12月9日に株式上場し、上場前は160億ドルだった企業評価が一時は600億ドルまで達した。(3月9日時点では438億ドル。)同社は米国を主に、カナダと豪州の3カ国で事業展開をしているが、21年1月に掲載された同社CEOのインタビュー記事によると、日本市場参入への可能性も示唆している。米フードデリバリー最大手の日本進出となれば、競争激化は間違いなさそうだ。
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