ウォルマートが置き配実験、アマゾンはアマゾン・パントリーを中止、その意味するところは?

ダイヤモンド・チェーンストア編集部
Pocket

worldnewspickup

ウォルマート、食品の置き配実験を開始

 ウォルマート(Walmart)は1月12日、2021年春からアーカンソー州ベントンビルで食品の置き配サービスの実験を行うと発表した。

 ウォルマートが実験するのは、店舗でピッキングしたEC注文品を、顧客の玄関先に置かれた「スマート・ボックス」に入れるだけで配達が完了する仕組みだ。このボックスには仕切りがあり、IoTプラットフォームによって3温度帯で温度管理ができるのが特徴だ。

ウォルマートの食品の置き配
新興のソフトウエア開発企業、ホームバレが開発したスマート・ボックスを活用し、ウォルマートは置き配サービスの実験を開始する

 スマート・ボックスは、ヴァージニア州タイソンに本社を置く新興のソフトウエア開発企業、ホームバレ(HomeValet)が開発した。利用者はスマートフォンで配達状況の確認や、商品到着の知らせの受信が可能となっている。さらに、スマート・ボックスの解錠や施錠、庫内の温度変更もすることができる。また、無理やり開けようとしたときや庫内温度に異常があったときには警報音が鳴るという機能もある。

 ホームバレのジョン・シムズ創業者兼CEOは「当社が開発した安全な受け取り方法は、現代人の生活に合うように設計した。配達時間に帰宅することができず焦ったり、置き配の商品が盗まれたり、汚れたりすることがなくなる」とコメントした。スマート・ボックスには、短波長紫外線で庫内を殺菌消毒する機能も搭載されている。

 「この技術によって、顧客は配達時間を気にせずに予定を組める。本来、配達が顧客の生活に合わせるべきで、顧客が配達に合わせるものではない。当社にとっても、スマート・ボックスがあれば、商品を年中無休でいつでも届けることができる」とウォルマートUS(Walmart US)のカスタマー・プロダクトを統括するトム・ワード上級副社長は述べた。

 ウォルマートはこれまでも、ドローンや自動運転車による配達など、ラストワンマイルの配達に活用できそうな新しい技術を使用した実験を積極的に行ってきた。今回のスマート・ボックスの利用実験では、実験区域内に住むEC利用者から参加者を募り、貸し出したスマート・ボックスで商品を受け取ってもらう計画となっている。

アマゾン・ドット・コム、アマゾン・パントリーを中止

アマゾン・パントリー
米国をはじめ、複数の国でサービスが中止された「アマゾン・パントリー」

 米アマゾン( A m a z o n .com)が、米国で展開していた「アマゾン・パントリー(Amazon Pantry)」を1月6日に中止したことを複数のメディアが報じた。

続きを読むには…

この記事はDCSオンライン+会員限定です。
会員登録後、DCSオンライン+を契約いただくと読むことができます。

DCSオンライン+会員の方はログインしてから閲覧ください。

1 2 3

関連記事ランキング

関連キーワードの記事を探す

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態