中国輸出、コロナ関連好調で11月は18年以来の大幅な伸び 記録的黒字に

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上海の港
中国税関当局が7日発表した11月の貿易統計によると、ドル建て輸出は前年比21.1%増となり、伸び率はアナリスト予想(12.0%)を上回り、2018年2月以来の大幅な伸びを記録した。写真は上海で10月に撮影(2020年 ロイター/Aly Song)

[北京 7日 ロイター] – 中国税関当局が7日発表した11月の貿易統計によると、ドル建て輸出は前年比21.1%増となり、伸び率はアナリスト予想(12.0%)を上回り、2018年2月以来の大幅な伸びを記録した。

新型コロナウイルスの流行を背景に個人防護用具(PPE)や在宅勤務向けの製品などの輸出が拡大した。

輸入は4.5%増加し、アナリスト予想(6.1%増)に届かなかった。ただ、3カ月連続の増加となった。

10月は輸出が11.4%増、輸入が4.7%増だった。

貿易収支は754億2000万ドルの黒字で、黒字幅はリフィニティブのデータで遡れる1981年以降で最大となり、 アナリスト予想(535億ドル)を上回った。10月は584億4000万ドルの黒字だった。

アナリストは、内需の回復やコモディティー(商品)価格の上昇が貿易統計の支援要因になったと指摘。海外で新型コロナの感染が拡大すれば、今後数カ月、輸出が高水準で推移する可能性があるとの見方も出ている。

ノムラによると、PPEのほか、在宅勤務に必要なエレクトロニクス製品の需要が高水準で推移している。クリスマス商戦向けの需要も輸出を押し上げる要因になった。

中国国営英字紙チャイナ・デーリーは、中国の輸出急増などを背景に国内でコンテナが不足していると報じた。

ただ、新型コロナ関連の需要に鈍化の兆しが出ているとの指摘もある。

輸出拡大を背景に、11月の対米貿易黒字は374億2000万ドルと、10月の313億7000万ドルから拡大。

ただ、中国は、米中通商合意を受けて、大豆など米国産農産品の購入を増やしている。

オックスフォード・エコノミクスのルイ・クイジス氏は、中国の輸入について、予想は下回ったが、前月比ベースで増加が続いていると指摘。

「好調な内需を背景に、来年にかけて輸入はさらに増えるだろう。商品の輸入よりも資本財の輸入が底堅い動きとなる」との見方を示した。

11月の鉄鉱石と銅の輸入は前月比で減少。原油輸入は増加した。

先週発表された各種指標では、中国経済が新型コロナウイルスの打撃から一段と回復していることが示された。11月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は52.1で、10月の51.4から上昇し、2017年9月以来約3年ぶりの高水準となった。新規輸出受注を示すサブ指数も上昇した。

ただ、主要貿易相手国で新型コロナ感染者が急増し、行動規制が再導入されており、今後の輸出に対する懸念も広がっている。

ここ数カ月の人民元相場の急上昇も輸出業者への打撃となる可能性がある。統計局は今週、人民元高による収益圧迫や輸出受注の減少が一部企業から報告されていると明らかにした。

人民元は6カ月連続で上昇し、上昇期間は2014年末以降で最長。足元では2年半ぶり高値水準で推移している。

バイデン政権は、ここ数年緊張が高まった米中通商関係の緩和に動くと期待されている。ただ、トランプ政権下で導入された中国製品に対する制裁関税についてバイデン氏は、撤廃する措置をすぐに取るつもりもないとしている。

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