数字で紐解く!ニューノーマルにおける東南アジアの小売市場の動向 #2マレーシア編

2020/12/04 15:30
ダイヤモンド・リテイルレビュー チーフ・エディター 内山 宗生

ダイヤモンド・リテイルメディアは、東南アジアの小売市場の現状分析と戦略立案をサポートする「ダイヤモンド・リテイルレビュー」(PDFファイル形式)を刊行しています。2020年12月、各国の消費者情報を深掘りするとともに、小売マーケットの最新情報をお伝えする「ショッパー&リテイル」として刷新し、タイ、マレーシア、シンガポールの最新版を発刊いたします。
この連載では「ダイヤモンド・リテイルレビュー」のチーフ・エディター内山宗生が、新型コロナウイルスの影響を大きく受けた2020年上期の動向など、多様性に満ちた東南アジアの最新の消費者動向と小売市場の“いま”を読み解きます。
今回はマレーシアの消費者動向と小売市場にフォーカスします。

マレーシアの街並み

マレーシア

ショッパーの消費の変化と小売市場

2020年6月時点でのマレーシアの人口は3265万7300人で、前年同月比で0.4%増加した。ASEAN6の中では5番目の人口である。
マレーシア政府のCENSUS調査による19年の世帯数は727万6700世帯で、前回の調査が行なわれた2016年から4.7%増加した。世帯内人数は3.9人で16年から4.9%の減少となった。世帯内就業者数は1.8人で16年から増減はない。

19年のマレーシアのGDPは、前年よりも4.4%増加し、1兆5207億MYR(38兆円:1MYR=25円で換算)となった。ASEAN6の中ではインドネシア、タイ、シンガポールに次ぐ大きさである。2000年以降、マレーシアの経済は堅実な成長を示しているが、ITバブル崩壊のあった2001年と、いわゆるリーマンショックの影響を受けた09年のGDPはマイナスとなった。翌10年には、前年比15.2%と高い成長率をみせたが、それをピークに徐々に成長率は低下する傾向にある。ちなみに15年4月にGST(物品サービス税、日本では消費税に相当する)が導入された。しかし、18年の総選挙において野党連合が勝利したことで、選挙公約のひとつであったGSTが廃止され、SST(売上税・サービス税)が再導入されている。国民一人当りのGDPは前年から3.9%の上昇となり、消費者物価指数0.7%の上昇となっている。

マレーシアの家計支出

GDPの伸び率を下回ってはいるものの、マレーシアの家計収入と家計支出は順調に増加している。すべての支出科目で増加しているが、中でも家具・家財・住居維持といった住宅関連の支出や外食や宿泊の支出の伸びが顕著である。食料品支出も堅調な伸びを示している。

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マレーシアの小売市場の推移

2015年に導入されたGSTは2018年に廃止され、同時にSSTが再導入されるという目まぐるしい環境の中でも、世帯支出の伸びに支えられたマレーシアの小売市場は拡大を続けている。14年から19年の間に、一般小売チャネルは年平均12.1%の伸⻑率、専門店チャネルは9.9%の伸⻑率となった。

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マレーシアのチャネル動向

順調に拡大しているマレーシアの小売市場の中で、近接する小型店舗チャネルの伸びが大きい。特にミニマーケットとトラディッショナル・トレードといわれる食料品雑貨店の伸びが顕著である。「大きな店舗でのワンストップショッピング」というショッパーのニーズよりも、近接する店舗での日常の買い物のニーズが明らかに高まってきており、以前より小さなスペースにてアソートメントを最大化する戦略が急務とされている。

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