アンケート調査で判明! 今いちばん値上がりしている品目と2023年の食品値上げの見通し

2022/12/29 09:55
崔 順踊(リテールライター)
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2023年前半に値上げが集中?

 2022年の値上げ・再値上げ・実質値上げラッシュは10月をピークに一旦落ち着きをみせているが、2023年はどのような状況が想定されるのか。

 「あなたの事業は2023年に値上げをすると思いますか。(単数回答)」という設問では、37.1%が「値上げをすると思う」と回答している。中でも「1回値上げすると思う」が22.8%と最も多く、「2回ほど値上げすると思う」が10.0%、「3回以上値上げすると思う」が4.3%であった。とくに卸では41.3%が、次いで小売の40.0%が1回以上の値上げを想定している。

 想定している値上げの理由は「仕入れ価格の値上がりのため」が25.5%と最も多く、「ガソリンなど燃料・エネルギー価格の値上がりのため」が20.8%で2022年と一致している。大幅な値上げを実施してもなお、コスト圧力はいまだ解消されておらず2023年も引き続き値上がりが敢行されることを想定している。

 業種別では、小売と卸、加工が仕入れ価格の値上がりを最も懸念しており、生産と輸送においてはエネルギー価格の値上がりについて懸念している。
 
 値上げに踏み込む時期としては4月の想定が12%と最も高く、1月~4月という年の前半に予想が集中している。また値上げ率については4~5%という回答が最も多いが、19~20%と高い値上げ率を想定している回答も一定数あった。

 商品別では2022年と同様「水産食品」との回答が16.4%と最も高いが、「調理食品」16.3%、「農産食品」が13.1%と続いた。

2023年、小売の経営状況はさらに悪化する?

 2023年の食品全般の価格については、72.5%が「値上がりすると思う」と回答しており、26.8%に上る回答が「2022年以上に、大きく値上がりすると思う」と回答している。これらの状況によって「あなたの事業の2023年の経営状況は2022年と比較して、どうなりそうですか(単数回答)」については、37.3%が「悪化すると思う」としている。中でも、小売は最もこの回答が多く、41.3%が経営状況の悪化を想定している。

 帝国データバンクによると2023年2月にはすでに3269品目の食品値上げが予定されており、2022年10月に匹敵する規模の値上げラッシュが起こるとされている。平均値上げ率も一部回答にあった19%~20%という想定は大げさではなく、現時点で判明している食品の値上げ率平均は17%となっている。

 アンケートの回答からは、事業従事者の方々が実際の経済状況を肌感覚で感じ取っていることが読み取れる。2022年11月の消費者物価指数の上昇率は、1981年12月第2次オイルショックの影響を受けていた時期以来の水準となっているが、実質賃金はマイナスが続いている。高止まりする物価の上昇に対して、賃上げその他の経済対策が速やかに進められることが喫緊の課題となっている。

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