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オークワ、最終赤字も反転の兆し? 「若年層戦略」の成否がカギに

植芝 千景 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)
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オークワ(和歌山県/大桑弘嗣社長)は2025年4月、25年2月期の通期決算を発表した。売上高は前期から微増となったものの、客数の減少や特別損失の影響により、営業・経常利益ともに5割超の減益、最終赤字に転じた。マーケティング強化や店舗改革など、収益力の回復に向けた取り組みを加速し、厳しい状況を打破していきたい考えだ。

オークワ八尾郡川店
オークワ八尾郡川店外観

25年通期決算は最終赤字を計上

 オークワの25年2月期通期決算(連結)は、売上高が対前期比1.1%増の2501億円、営業利益は同54.0%減の13億円、経常利益は同53.5%減の14億円の増収・大幅減益となった。当期純損失は23億円(前期は10億円の黒字)と最終赤字で着地している。

 業績悪化の主因は、収益性が大きく低下した複数店舗に対して固定資産の減損処理を実施したことに加え、保有地の含み損を反映したことで、特別損失として約39億円の減損損失を計上したためだ。

 また、物価高の影響により客単価は上昇したものの、来店客数の減少が続いたことで既存店売上高が伸び悩んだ。さらに、最低賃金の引き上げによる人件費の増加や、水道光熱費の上昇などにより販管費がかさんだことも、業績を圧迫する要因となった。

 販促施策の見直しやプライベートブランド(PB)開発の強化、デジタル施策の推進などを進めたことで、中間期以降は一定の収益改善の兆しも見られたが、施策の浸透には想定以上に時間を要し、通期での収益性の改善には結びつかなかった。

 こうした状況を受けて、同社は24年3月に公表した中期経営計画(25年2月期~27年2月期)に基づく業績数値目標の達成が困難であると判断。最終年度の27年2月期目標の達成は事実上断念し、今後の業績動向を見極めたうえで達成時期を改めて見直す方針を示している。

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記事執筆者

植芝 千景 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

同志社大学大学院文学研究科(国文学専攻)修了。関西のグルメ雑誌の編集部に所属後、ダイヤモンド・リテイルメディアに入社。趣味は地方をめぐって美味しいものを食べること。

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