9月末で全国的に緊急事態宣言やまん延防止措置が解除されたことで、百貨店や外食の売上高が復調してきた。
日本百貨店協会が発表した10月の全国百貨店売上高(既存店ベース)は、前年同月比2.9%増と3カ月ぶりのプラスとなった。19年10月比でも1.3%増だった。入店客数は0.8%減、19年比では22.0%減とコロナ前の水準には戻っていないが、高額商材の増勢が続いているほか、気温低下で衣料品など秋冬商材が好調だった。
地区別では、10大都市が4.3%増で、広島を除く9都市で前年実績を上回った。10大都市以外の地方は0.4%減となり、都市と地方の差が前月より2.0ポイント広がった。
一方、日本フードサービス協会が発表した10月の外食売上高(全店ベース)は、0.5%減とほぼ前年並みに近づいた。19年比では6.1%減だった。ただ、業態別での明暗差は大きい。
ファーストフード業態は「洋風」のテークアウト、デリバリー需要が引き続き好調で、5.4%増(19年比7.5%増)だった。パブ・居酒屋は30.8%減、19年比で53.5%減と苦戦が続いた。酒類提供の制限が解除され個人客は戻りつつあるが、宴会・法人需要はまだ戻っていない。