[東京 26日 ロイター] – 日本電産は26日、2022年3月期の連結営業利益見通しを1900億円へ上方修正すると発表した。家電向けなどの高付加価値品が予想を上回る好調だったことに加え、円安も追い風になった。
従来予想は1800億円。IBESがまとめたアナリスト20人の予想平均値は1921億円だった。
上期の成長をけん引したのは「家電・商業・産業用」グループ。営業利益は前年同期比84%増の405億円となった。家電向けコンプレッサや空調機器向けモータなど、省エネ対応など高付加価値の新製品がけん引した。
会見した永守重信会長は「収益性の高い新製品が市場に出た。来年第4・四半期を目標に(同部門の)営業利益率を15%ぐらいへ引き上げる」方針を明らかにした。工場の再編成や収益性の高い新製品の投入を進めるという。中間期末の利益率は10%だった。
「車載」グループの営業利益も同89%増の83億円と大幅に増加した。ただ、その主因は新型コロナの感染が急拡大した前年同期の落ち込みが大きかった反動。上期は東南アジアの長期ロックダウンの影響、顧客の半導体不足による出荷減などが重しになったという。
一方、電気自動車を駆動させるトラクションモーターは、受注残が着実に増加。永守会長がEV車の普及が急速に広がり始めるとにらむ25年の同モーター販売台数を従来の280万台から350万台へ上方修正した。
永守会長は「EVで最も競争が激しくなるのは100万円以下の低価格車。(世界の年間)販売台数は桁が変わって5億、6億台となるだろう。その7─8割は低価格車。それを確信してやっている」と力説した。
上期の平均レートは1ドル=109.80円と前年同期比3%、1ユーロ=130.90円と同8%円安に振れた。上期全体では円安による増収効果が前期比356億円、営業利益の増益効果が40億円あった。