[東京 10日 ロイター] – キリンホールディングスは10日、ミャンマーの政情不安などを受け、ミャンマー・ブルワリー社に関連して第2・四半期に減損損失を214億円計上したと発表した。これを受けて通期の業績見通しを下方修正した。ミャンマーからの事業撤退については、改めて否定した。
2021年12月期通期の純利益予想は865億円(従来予想は1030億円)に下方修正した。IBESがまとめたアナリスト13人の純利益予想の平均値は1024億円だった。
横田乃里也常務は決算会見で「業績下方修正はミャンマー事業の影響によるもの」と述べた。ミャンマーでは、政情不安に加え、6月から新型コロナウイルスの感染再拡大が起き、販売数量減につながっている。缶資材の不足などによる原材料費高騰もあり「市場を厳しく見ざるを得ない」という。さらには、カントリーリスクプレミアムも上昇した。
ただ、吉村透留常務はミャンマーのビール事業の合弁先である国軍系企業ミャンマー・エコノミック・ホールディングス(MEHL)と合弁解消に向けた協議は「継続中」だとした上で、ミャンマーからの撤退の可能性については「ミャンマーの国や顧客に対して事業を通じて貢献するスタンスは変わっていない。現時点で撤退は考えていない」と述べた。