[東京 29日 ロイター] – パナソニックが29日に発表した2022年3月期第1・四半期(4─6月期)の連結営業利益は1043億7700万円と、13年ぶりの高水準となった。事業ポートフォリオの見直しなどが奏功して利益率が改善したが、コロナ禍の再拡大といった多数のリスクを踏まえ、通期営業利益予想は3300億円と期初計画を据え置いた。
第1・四半期営業利益、通期予想の3割超に到達
梅⽥博和CFO(最高財務責任者)は記者会見で、第1・四半期の営業利益が通期予想に対して3割超の進ちょくとなったことで、決算公表前に業績予想を上方修正する可能性を社内で議論したことを明らかにした。
しかし、原材料価格の高騰や半導体の需給逼迫に加え、コロナ禍でマレーシアやベトナムなどの工場が稼働と停止を繰り返していることなどから、「(期初)計画を作った時からリスクが減ったとは思っていない。必死に対応はするが、第2・四半期が終わるぐらいまで状況を見極めたい」と説明した。
IBESがまとめたアナリスト19人の通期営業利益の予想平均は3351億円。
利益率も大きく改善
四半期ベースの営業利益が1000億円を超えるのは、08年第1・四半期以来。コロナが直撃した前年同期の37億円を大きく上回り、実質的な売上高が同程度だった19年度の624億円と比べても、倍増に近い伸びとなった。
利益率が改善したのは、収益性の高い事業や商品の取り扱いを増やしたため。営業利益率は19年度の3.3%から6.7%へ上昇した。