[東京 26日 ロイター] – 日銀が26日発表した4月の企業向けサービス価格指数は、前年比で1.0%上昇した。2カ月連続のプラス。新型コロナウイルス感染症の拡大で緊急事態宣言が発令され、価格が大きく落ち込んだ前年の反動が表れた。
4月は3月(0.7%上昇)からプラス幅が広がった。この拡大に最も寄与したのは「不動産」。前年は緊急事態宣言が発令され、売り上げ歩合制の店舗の賃料が値下がりしたが、今年はその反動が出た。
「広告」、「運輸・郵便」なども上昇に寄与した。外航貨物輸送は、燃料価格の下落を受けて前年が値下がりしていたことに加え、今年は中国向け鉄鉱石の輸送需要増による市況上昇も押し上げに寄与した。日銀の担当者は「燃料費の上昇を反映した値上げは貨物輸送の関係では出てきやすい」と説明した。
一方、「諸サービス」、「リース・レンタル」、「情報通信」などはマイナス方向に寄与した。
公表している146品目のうち、前年比上昇したのは65品目、下落したのは51品目だった。上昇品目数が下落品目数を14品目上回った。
今年は4月25日から3度目の緊急事態宣言が出されているが、宣言の期間や対象範囲が限られていたことから、昨年4月ほど落ち込みは厳しくなかったという。担当者は「5月は宣言の対象地域が拡大したこともあり、今月に比べて今年の価格動向の影響が出てくる品目も出てくる」との見方を示した。