[東京 9日 ロイター] – 内閣府が9日公表した9月の景気動向指数(速報値、2015年=100)は、指標となる一致指数が前月比1.4ポイント上昇して80.8となり、新型コロナウイルスの感染拡大が本格化する前の3月以来の水準となった。自動車などの輸出・生産拡大が寄与し、4カ月連続でプラスとなった。
ただ、同指数から機械的に決める基調判断は前月の「下げ止まりを示している」で据え置いた。判断引上げには7カ月移動平均のプラス転換が必要で、「しばらく時間がかかる」(内閣府)見通し。
項目別では、自動車や二輪車などの輸出・生産改善で耐久消費財出荷指数や鉱工業生産指数が改善したことがけん引した。一方、家電販売など小売りや有効求人倍率の悪化が指数を下押しした。
先行指数は過去2番目のプラス幅、経済活動再開で
先行指数は前月比4.4ポイント上昇の92.9と、4カ月連続で改善した。上昇率は1985年以来過去2番目の大きさ。政府の観光支援策「GoToトラベル」など経済活動の再開により消費者態度指数が改善したほか、輸出・生産の回復で最終需要財在庫率指数や鉱工業用生産財在庫率指数が改善したことが寄与した。
遅行指数は前月比0.9ポイント上昇の92.9と3カ月ぶりに改善した。法人税収入や最終需要財在庫指数、消費者物価指数が寄与した。