週刊コンビニニュース 8月の既存店売上高もセブン以外マイナス

ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局
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1週間のコンビニエンスストアの動きをまとめた週刊コンビニニュース。コロナウイルス感染拡大に伴う駅前立地やオフィス街立地店舗の不振の影響が続く。8月度の主要コンビニチェーンの既存店売上高は、対前年同期比横ばいだったセブン-イレブンを除くと、前チェーンが大幅マイナスだった。立地産業だけに消費者の働く環境、生活環境が戻らないと厳しい状況は続くだろうが、それは一体いつのことになるのか(9月8日〜14日のニュースをまとめました)。

ローソン
istock.com/tupungato

主要CVSチェーン8月営業実績(前年同月比)
既存店売上の伸びは一進一退

 梅雨が明けた8月は、急激な気温上昇と猛暑が続き、来店動向に影響を及ぼしたが、夏向けの商品の売上は、全般的に前年を上回った模様。なかでも飲料、冷し麺、アイスクリームといった商品が好調で、客単価を押し上げる結果となった。4チェーンの8月の営業概況は、以下のとおり。

<ファミリーマート>

 夏型商材の冷し麺、ドライ飲料、酒、アイスクリームが好調に推移。また、惣菜・冷凍食品など「お母さん食堂」は、キャンペーン効果で前年を上回った。

<ローソン>

 デザートカテゴリーは、バスチーに加え、新感覚スイーツが好調。品揃え拡充に取り組んだ生鮮食品や冷凍食品は、前年を大幅に上回った。供給体制が安定したマスクを中心に、紙や衛生用品も堅調な動きをみせた。

<ミニストップ>

感染予防のための生活行動が常態化し、マスクや除菌用品などの売上が伸長。巣ごもり需要によりスイーツやアイスクリーム、寿司、酒などが前年を上回った。ハロハロ、パフェを含むコールドデザートも好調。

<ポプラ>

 飲料や調理麺(ざるそばなどの冷し麺)の動きがよく、また、新たなポイント付与制度「dポイント」導入に伴うキャンペーンの集客効果で、おにぎり、ベーカリーなども売上を伸ばした。ホテル内店舗やオフィス店舗などは回復に至らず、全体では前年を大きく下回った。

チェーン 全店売上 既存店
売上 客数 客単価
セブン-イレブン ▲0.9 0 ▲5.5 5.8
ファミリーマート ▲8.1 ▲7.7 ▲11.9 4.8
ローソン ▲10.5 ▲8.7 ▲13.2 5.1
ミニストップ ▲3.6 ▲3.4 ▲8.4 5.4
ポプラ ▲23.3 ▲15.7 ▲19.0 4.0

(単位:%)

<参考:3チェーンの既存店3ヶ月実績(前年同月比)>

チェーン 既存店 6月 7月 8月
セブン-イレブン 売上 1.0 ▲5.1 0.0
客数 ▲7.9 ▲12.1 ▲5.5
客単価 9.7 7.8 5.8
ファミリーマート 売上 ▲8.2 ▲10.8 ▲7.7
客数 ▲14.7 ▲16.2 ▲11.9
客単価 7.8 6.4 4.8
ローソン 売上 ▲5.8 ▲8.9 ▲8.7
客数 ▲14.4 ▲15.1 ▲13.2
客単価 10.0 7.3 5.1

(単位:%)

セブン-イレブン
コロナウイルス感染防止で衛生対策を再強化

 セブン-イレブン・ジャパンは「新しい生活様式」が広がり、衛生に対する意識が高まっていることを受け、店舗での衛生対策を再強化する。今後は、以下のような衛生対策に取り組む。①除菌スタンドの設置(9月下旬以降)、②非接触型体温計の常備(従業員検温用・10月上旬以降)、③おでん透明アクリルカバーの設置(9月上旬以降)、④新たな間仕切りシートの設置(10月中旬以降)。

ファミリーマート
前月に続き8月のレジ袋辞退率は77%

 ファミリーマートにおける8月のレジ袋辞退率は7月に続き、77%となった。現状のレジ辞退率が今後も続いた場合、レジ袋の削減枚数は年間約23億枚になる見通し。また、レジ袋を辞退した顧客へのインセンティブ企画として、7月から実施している「ファミペイ」で貯まる「ファミマエコスタンプ」は、8月末までの累計で約1,200万個となった。スタンプ30個で特典クーポンと交換できる企画。

ローソン
<近畿地区・三重県・愛知県>「PiTaPa」のサービスを拡大
ポプラと共同事業契約を締結

 ローソンは、㈱スルッとKANSAI(大阪市浪速区)が提供する「PiTaPa」のサービスの導入を、10月1日から近畿2府4県・三重県・愛知県の約3,400店舗で始める。「PiTaPa」は、カード1枚で電車・バスやショッピング、グルメなどの支払いに、ポストペイ(後払い)方式で使える簡単で便利な多機能IC決済サービス。ポストペイ方式のため、事前チャージは不要となる。現在、導入されているのはOsakaMetroの駅ナカのローソン約40店舗だが、今後は街ナカの店舗でも利用できるようになる。

 ローソンはまた9月10日、広島市に本部を置くポプラとのあいだで、「ポプラ」、「生活彩家」、「スリーエイト」のブランドで営業する460店舗のうち、3割にあたる140店舗を「ローソン・ポプラ」もしくは「ローソン」ブランドへ転換、運営する共同事業契約を締結した。140店舗のうち126店舗は、ローソンのメガフランチャイジーであるポプラリテールが展開し、残り14店舗については、ローソンのフランチャイズ店または直営店として営業する予定。
ポプラとは2014年12月8日に資本業務提携を締結。原材料、商品などの共同仕入れ、物流・インフラの相互活用などの取り組みを進めてきた。2016年8月4日には、「ローソン・ポプラ」のダブルブランド店舗の本格的な展開に向けて、山陰地区の「ポプラ」店舗のうち51店舗を「ローソン・ポプラ」に転換している。

セブン-イレブン
農林水産省の応援プロジェクトに参画
クリスマス関連商品の予約受付開始

 セブン-イレブン・ジャパンは農林水産省が推進する「#元気いただきますプロジェクト」を応援する取り組みとして、レンジ麺「北海道産玄蕎麦使用かき揚げそば」(税抜398円)を、9月9日より3週間限定で発売した(一部地域を除く)。定番商品「かき揚げそば」に北海道産玄蕎麦を使用し、生産者を応援する。

 同社はまた、9月21日から、ケーキなどのクリスマス関連商品の予約受付を開始する。有名パティシェ監修のケーキをはじめ、購入がむずかしかった専門店の本格的クリスマスケーキなどを多数品揃えする。昨年、好評だったKing&Princeのキャンペーンについても、今年は多床商品を大幅に増やし、オリジナルグッズの抽選も行う。

ファミリーマート
ハイブリッドパンの「焼きそば&コロッケドッグ」
「ファミマのおでん」9月15日スタート
ハンバーガーを全面リニューアル

 ファミリーマートは、焼きそばとコロッケが一度に食べられる、欲張りなハイブリッドパン「焼きそば&コロッケドッグ」(税込248円)を、9月8日に発売(一部地域を除く)。発売中の「焼きそばドッグ」(税込138円)に比べ、ボリューム感が一目瞭然。

 ファミリーマートはまた、9月15日より順次、全国で発売する。つゆは新たに野菜だしを加え、先味から中味をしっかりしたものに改良。また、東日本、西日本、九州、沖縄の4地区に合わせた配合にし、各地域になじみやすい味にした。具材は、定番商品、人気商品を一から見直し、全国統一メニューを全17種類とした。価格は、いずれも税込で86円・108円・129円・140円の4価格帯に集約。セットメニューも3種類用意し、今年1月に発売して好評だった「レンジおでん」は、10月に前倒しで発売する。

 同社はまた、オリジナルハンバーガー2種類をリニューアルし、新たに2種類を追加して、9月15日から順次発売する。肉の配合を見直し、焼き上げる温度を高くすることで、より香ばしく肉の旨みが感じられるように仕上げた。また、パティの厚みをアップさせ、ふっくらとした食感を実現した。

  • 「チーズバーガー」(税込198円)
  • 「タルタルフィッシュバーガー」(税込260円)
  • 「とろーりたまごのてりやきバーガー」(税込290円)
  • 「ベーコンエッグチーズバーガー」(税込348円)

ナチュラルローソン
「大豆ミート」使用のパスタとサラダなど6品
「旅する応援(エール)プロジェクト」第3弾

 ナチュラルローソンの147店舗で、9月8日より大豆ミートを使用したパスタやサラダ、パンなど6商品を発売した。ナチュラルローソンでは、2017年から大豆ミートを使用した商品を発売していて、購入者の75%以上が女性客。

 またナチュラルローソン店内で、日本各地の生産者を応援するため、トラストバンク(東京都目黒区)が企画・運営するふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」と連携し、7月から同サイトで取り扱う日本各地の特産品を販売。9月15日からは、第3弾として、中部地方の静岡県・愛知県・三重県の地元企業の商品13品を販売する。

ミニストップ
「味むすび 厚焼玉子のオムライス」
「和栗モンブランソフト」

 ミニストップは9月8日、ふんわりふっくらとした厚焼の玉子焼きを使用した新商品「味むすび 厚焼玉子のオムライス」(税込108円)を発売。厚さ1㎝超のふっくらとした丸い厚焼玉子を、ケチャップライスの上にのせた味むすび。

ミニストップはまた、「和栗モンブランソフト」を9月11日から発売。看板商品である「ソフトクリームバニラ」に、和栗モンブランソースを贅沢にかけた“ごちそうスイーツ”。税込345円で数量限定の発売となる。

セイコーマート
「Secoma北海道とよとみのむヨーグルト」

 9月14日に発売。2017年11月から販売を開始した「北海道とよとみヨーグルトシリーズ」の「のむヨーグルト」のバナナ味版。「のむヨーグルト」は発売以降、今年8月までに累計300万本以上を販売した人気商品で、今回、北海道豊富町産の乳とクリームを使用。乳のコクに、完熟バナナのような味わいが抜群の「のむヨーグルト」。北海道135円(税抜)、茨城県・埼玉県138円(税抜)。

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