キリンHD、連結事業益を26%減に下方修正 新型コロナで700億円影響
[東京 7日 ロイター] – キリンホールディングス は7日、2020年12月期(国際会計基準)の連結事業利益を1910億円から1400億円(前年比26.6%減)に下方修正すると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大により、豪州や日本などで業務用の酒類を中心に大きく影響を受けている。下期についても、コロナ前の状況に戻ることは見込めないとみており、通期で700億円のマイナス影響となる。年間配当予想は65円で据え置いた。
最も影響を受けたのは、豪州やニュージーランドで事業を展開するライオン酒類。1月の米国ニュー・ベルジャン・ブルーイングの連結化がプラス要因となったものの、日本よりも厳しい都市封鎖(ロックダウン)が行われたことで業務用が減少したほか、森林火災の影響で高価格帯商品が減少し低価格化が進んだという。
日本では、ビールの減少を家飲み需要が強い新ジャンルの増加でカバー。上期の販売数量は、ビール類市場が10%減少する中で4.4%減にとどめた。
通期の売上収益は従来計画の2兆円から前年比6.0%減の1兆8240億円に修正した。
通期でも新型コロナの影響は残るとし、ビール類の販売数量目標を従来予想の0.9%増から3.3%減へと下方修正。飲料においても、コンビニエンスストアや自動販売機を通じて販売される商品の販売数量が減少しており、通期販売数量目標を従来予想の0.1%増から9.5%減に修正した。通期で250億円のコスト削減を実施するものの、通期業績予想の下方修正となった。
1―6月期の売上収益は前年同期比6.2%減の8724億円、事業利益は同23.1%減の698億円だった。