[東京 5日 ロイター] – アサヒグループホールディングスは5日、2020年12月期(国際会計基準)の連結営業利益が前年比38.4%減の1240億円になるとの見通しを発表した。新型コロナウイルスの感染が世界的に広がったことで、業務用酒類を中心に、日・豪・欧と事業展開する各地域で需要が大きく減少した。
リフィニティブがまとめたアナリスト14人による営業利益予想の平均1640億円を大きく下回った。これまで同社は、新型コロナの影響が見極められないとして業績見通しを未定としていた。
同社は通期の国内ビール市場を23―24%減と予想。「家飲み」需要で新ジャンルは増加するものの、外出自粛などの影響で外食需要が落ち込む中、ビール類全体でも8―9%減となる。
18年に1億ケースを割り込んだ主力の「スーパードライ」は、通期で20.5%減の6640万ケースを計画。ビール類全体では、13.8%減の5740億円の売上収益を見込んでいる。
酒類事業全体では13.7%の減収、事業利益は23.9%の減益となる見通し。
国際事業は、豪ビール大手カールトン&ユナイテッドブリュワリーズ(CUB)の買収が完了したことによる連結効果で増収を見込むが、業務用の売上減少などから、事業利益で19.8%の減益となる見通しだ。
上期に各国が都市封鎖(ロックダウン)した欧州は、規制緩和で需要の回復を見込むものの、業務用については一定程度の減少が継続するとみている。
(清水律子)