異色!?日本気象協会とTwitterがタッグを組んで取り組む、食品廃棄ロスと機会ロスの削減とは
小売業向けに、高精度で商品需要予測を行うサービスが7月から始まっている。サービスを提供するのは、日本気象協会だ。新サービスでは、気象データとTwitterデータを活用しており、従来の気温による需要予測から一歩進み出たかたちだ。
ビッグデータを販促に生かす
日本気象協会は、気象に関する観測から解析、コンサルティングまで幅広くサービスを展開する。従来、気象データの活用はインフラ分野が中心だったが、小売業などビジネス分野への展開をねらい、新サービス「売りドキ!予報」を今年7月から提供し始めた。
同サービスは、小売事業者向けに、気象ビッグデータと550カテゴリー以上のPOSデータとの相関を解析して高度化した需要予測を、導入店舗に合わせて提供する。日ごとに、気象予測、体感指数、販売数量の増減予測を配信するほか、カレンダーで1カ月の予測を表示するため、需要の変化や季節商品の終売時期などを把握できる。インストア加工量や発注量の調整、販促計画を最適化でき、機会ロスや食品廃棄ロスの削減が見込める。
商品の需要予測の精度が高まると、お客の求めている最適な品揃えと適正な在庫量を実現できるため、機会ロスが減るほか、廃棄ロスも減らすことができる。
気温ではなく体感気温を使う
需要予測に使ううえでカギとなる指標が、「体感指数」だ。体感指数とは、気温だけでは表せない体感を数値化したもの。たとえば、同じ30℃でも日射しや湿度、体が暑さに慣れているかどうかなどで、暑さの感じ方は変わってくる。また、暑さ・寒さは人によって感じ方が異なる。このような定性的かつ主観的な「体感」を数字で表すために、「暑い」「寒い」といったつぶやきのデータを利用し、気温・日射・慣れなどの要素を加味しながら、独自の「体感指数」を作成した。