「ファッションとしての服」の時代ではない ユニクロ柳井正が進める「究極の普段着」とは!?
10月11日、ファーストリテイリングが2019年8月期の通期業績を発表した。売上高、営業利益ともに過去最高を更新し、海外ユニクロ事業では売上高が初めて1兆円を超えた。さらにグローバル展開を進めるべく、経営の舵を取る柳井正会長兼社長が今、最も重要と考えていることは? 決算説明会で柳井氏が語った内容をまとめた。
究極の普段着作りに挑む!
「ファーストリテイリングが作り出した服のコンセプト、『LifeWear』の考え方を広く紹介する冊子が8月に出来上がりました。実際にどんな服があり、どんな考え方で作られているかを伝えるため、世界中のユニクロで配布しています。世界各地で、ユニクロが幅広いお客さまから支持を得ているのは、『LifeWear』のコンセプトへの関心の高まりともかかわっています」
「『LifeWear』はあらゆる人の生活をよりよくする、より豊かにするための服で、美意識のある合理性をもって、シンプルで上質、そして細部への工夫に満ちています。日常の服でありながら生活ニーズが考えられるような進化し続ける服、『LifeWear』は究極の普段着です」
ミラノ、ニューデリーに1号店をオープン
9月13日、ユニクロのミラノ1号店「ユニクロコルドゥ―ジオ広場店」がオープンした。ミラノのシンボルである大聖堂広場の近くに構えた店舗には、開店前から長い列ができ、大盛況だったという。
「日本の伝統をミラノのデザインやアートと融合した最高のお店ができました。デザインとアートは服をつくるうえで不可欠な要素です。われわれの『LifeWear』を自在に活用して、お客さま独自のスタイルをつくり出していただきたいと考えています」
また、10月4日には、インドのニューデリーに、インド初の店舗をオープンした。
「インドは13億人の人口があり、平均年齢は27歳。非常に若いです。飛躍的な成長が期待できる国だと思います。この秋、さらに2つの店舗をデリー近郊にオープンします。すでにインドでは、将来グローバルで経営幹部として活躍が期待できる優れた人材を多数採用しています」
「近いうちにベトナムにも1号店をオープンしたいと考えています。これらの地域のお客さまにも、高品質な『LifeWear』へのご支持をいただけると確信しています。こうした世界各地でのわれわれの成果は、画期的な『LifeWear』のコンセプトが広くお客さまに受け入れられたことが大きく影響していると思います」