[東京 11日 ロイター] – ファーストリテイリングは11日、2019年8月期(国際会計基準、IFRS)の業績予想を下方修正すると発表した。国内ユニクロ事業で円安による原価率の上昇や、IT投資増加による経費率の上昇などが影響した。
連結売上収益の予想は2兆3000億円に据え置いたが、営業利益は2700億円から2600億円に、税引き前利益は2700億円から2600億円にそれぞれ引き下げた。当期利益見通しは1650億円で据え置いた。
トムソン・ロイターのスターマイン調査がまとめたアナリスト17人の営業利益予測の平均値は、2589億円となっている。
2018年9月─19年2月期の売上収益は、前年同期比6.8%増の1兆2676億円、営業利益は同1.4%増の1729億円、税引き前利益は同5.5%増の1742億円、当期利益は同9.5%増の1140億円だった。
同期間の国内ユニクロ事業の営業利益は同23.7%減、海外ユニクロ事業は同9.6%増、ジーユー事業は同54.3%増、グローバルブランド事業は前年同期の56億円の赤字から31億円の黒字に転換した。
国内ユニクロ事業は、売上収益も同0.5%減の4913億円となり、減収減益となった。既存店売上高も同0.9%減。
12月、1月の気温低下でヒートテックなどの冬物が好調だったが、10月、11月の暖冬で防寒衣料の需要が悪く苦戦した。
一方、収益面では、社内為替レートの円安による原価率上昇や冬物商品の値引き販売強化による売上総利益率の低下に加え、Eコマース販売の拡大による物流費比率の上昇や、IT投資の増加などで減益となった。
海外ユニクロ事業は、増収増益。なかでも中国大陸では、約20%の増収増益を達成。米国では、営業収益が黒字に転換した。
(田巻一彦)