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景気判断据え置き、感染症のリスク注意 生産を上方修正=1月月例経済報告

都内を歩く人々
1月18日、政府は1月の月例経済報告で、景気判断を示す総括判断を「新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和される中で、このところ持ち直しの動きがみられる」とし、先月から判断を据え置いた。写真は通行人の影。都内で2014年11月に撮影(2022年 ロイター/Issei Kato)

[東京 18日 ロイター] – 政府は18日に発表した1月の月例経済報告で、景気判断を示す総括判断を「新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和される中で、このところ持ち直しの動きがみられる」とし、先月から判断を据え置いた。

一方、先行きについては、足元でのオミクロン株感染拡大を踏まえ、「感染症による影響」を下振れリスクの1つと位置付け、警戒感を先月から強めた。供給面での制約や原材料価格の動向による下振れリスクも先月同様、明記した。

生産は「持ち直しの動きがみられる」とし、12月の「持ち直しに足踏みがみられる」から判断を引き上げた。上方修正は、2020年11月以来1年2カ月ぶり。東南アジアでの感染拡大を背景とした部品供給不足が緩和され、輸送機械の生産が持ち直すとともに、その回復がプラスチック製品や鉄鋼・非鉄金属など他の産業にも波及し始めているとした。ただ、内閣府は、景気全体が上向くほどの生産の増加ではないとし、総括判断を据え置いた。

輸出は「おおむね横ばいとなっている」との判断を維持した。自動車関連材が持ち直す一方、資本財は増勢が鈍化していると指摘。情報関連材は概ね横ばいとしたが、5G関連の投資は世界的に増加が見込まれているとし、同分野の輸出は今後期待できるとした。

また、資源価格などの価格上昇の鈍化を受け、国内企業物価の判断を「このところ上昇テンポが鈍化している」とし、先月の「上昇している」から文言を修正した。表現変更は昨年6月以来7カ月ぶり。

個人消費は「このところ持ち直している」との判断を先月から据え置いた。「外食や旅行のサービス消費は、引き続き持ち直し」とし、年末年始の交通機関の利用実績をみると、コロナ前の2019年年度は下回るが、昨年を上回る水準に回復したと指摘。今のところ、オミクロン株の感染拡大が個人消費に大きな影響を与えているとは見ていないと分析、引き続注視していくとした。