「和食さと」の全国出店とグルメ寿司の海外展開に本腰! SRSホールディングスの成長戦略
海外進出を見据えてまずは国内の足場固めに注力
――海外事業についての方針はいかがでしょうか。
重里 現在はアジアを中心にチャレンジを続けていますが、現地の市場における競争環境は非常に激しく、まだ十分にニーズを捉えきれていないのが実情です。そのため、現段階では大きな収益にはつながっておらず、引き続き検証と改善を重ねていく必要があると認識しています。
将来的には、グルメ寿司業態を軸とした海外展開を本格化させたいと考えています。日本の寿司文化への海外からの関心は高く、一定の需要があると見ていますが、安定的な現地での人材確保や原材料の調達ルートの整備など、店舗運営を支える仕組みを構築することが課題です。
――中食の領域には、どのような方針で取り組んでいますか。
重里 コロナ禍を経て、中食の重要性が今後下がることはないと見ています。むしろ、外食・グルメ寿司に続く第3・第4の収益の柱の1つとして、成長させていきたいと考えています。
前中期経営計画でも中食需要の取り組みは重要であると考えていたことから、23年2月には唐揚げ専門店「鶏笑」を展開するNIS(大阪府)を、24年10月にはビフテキ重専門店「牛ノ福」を運営するシンガ(大阪府)をグループ化しました。

さらに、既存の外食ブランドでも中食ニーズへの対応を強化しています。「かつや」ではテイクアウトが売上全体の約4割を占めており、「天丼・天ぷら本舗 さん天」でも約3割に達しています。こうした実績を踏まえ、今後も中食の価値を高める取り組みを継続していきたいと考えています。
――今後、外食産業の変化にどのように対応していくお考えですか。
重里 今後5年間を展望すると、人口減少が進む一方で、共働き世帯の増加やライフスタイルの変化により、「食の外部化」はさらに進むと見ています。
また、国内の外食市場はまだ寡占化が進んでおらず、企業努力次第でシェアを獲得できる余地が大きいのも特徴です。私たちはこの5年間を、国内市場でのシェア拡大に注力し、確固たるポジションを築くための重要な期間と位置づけています。
その上で、将来的な海外展開に向けて、日本発の外食ブランドとして世界でも通用する事業モデルを構築していきたいと考えています。








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