ユニクロと東レとのサステナブルな関係から生まれたリサイクルダウン
2006年、ユニクロは、日本を代表する素材メーカーである東レと戦略的パートナーシップを結んだ。その目的は、中長期提携方針の策定と、画期的新素材の開発だ。いまや冬用インナーウェアの代名詞となった「ヒートテック」も、東レとの素材開発から始まった。そして今、両社が取り組んでいるのが「リサイクルダウン」だ。東レ GO事業部GO事業第2室長の荒木隆史氏(以下、荒木氏)に、ユニクロと東レのパートナーシップについて取材した。
ユニクロと東レの戦略的パートナーシップとは
東レは今年で創立97年となる、日本を代表する素材メーカーである。グループの売上2.5兆円、従業員数約5万人という規模だ。鉄の10分の1の軽さで4倍の強度を持つカーボン繊維を開発し、ボーイング社などの航空機に採用され航空機の驚異的な軽量化を可能としたことで、炭素繊維業界で世界№1のシェアを誇る。
その東レがユニクロと取引を始めたのは、1999年。縫製品のOEMからだった。翌2000年からは縫製品だけでなく、糸や生地の開発から取り組むようになり、さらに、当時からグローバル展開を目指していたユニクロのビジネスに合わせて、東レはグローバルオペレーション事業部(GO事業部)という部署を立ち上げた。ここから、今日の両社のパートナーシップにつながっていく。
ユニクロ向けの素材開発において、東レは2003年に、身体からの水蒸気よって発熱し、またその温かさを保温するインナー素材を開発した。当初はメンズのインナーウェアとして販売されたが、翌2004年からウィメンズのインナーウェアとしても展開数を増やし、ユニクロが「ヒートテック」と名付けて大々的にマーケティングすると、爆発的に売れるようになった。
2006年からは、お互いに戦略的パートナーシップとして長期的に取り組んでいくことを共同で記者発表し、ユニクロのオフィス内に東レの従業員が常駐するようになった。
以来、東レがユニクロのために素材開発した代表的な商品は、ヒートテック、エアリズム、ウルトラライトダウン、ドライEX、感動パンツなど、いずれも大々的なヒット商品ばかりだ。そして、今、ユニクロと東レはリサイクルダウンに取り組んでいる。
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