ユニクロのサステナビリティ活動22年の歩みと未来 #3 「ドラえもん サステナモード」誕生

北沢 みさ (MK Commerce&Communication代表)
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ユニクロが1999年以来のフリースブームで売上を倍々と伸ばす中、同時に社会貢献活動を立ち上げていたことを知る人は少ない。その活動はその後も広範に渡って発展し、いまやサステナビリティ先進企業になっている。
サステナビリティの情報発信について、ファーストリテイリンググループ上席執行役員の柳井康治氏、またマーケティングを統括するファーストリテイリンググループ執行役員の遠藤真廣氏に取材した。

サステナビリティのアプローチに正解・不正解はない

 2021年に柳井康治氏がサステナビリティ担当になってから、サステナビリティに関する情報発信が加速したように見える。2021年12月に「長期的なサステナビリティ目標とアクションプラン」を発表して以来、毎年その進捗を発表するほか、ことあるごとにメディア向け発表会が開催されている。

 「私がサステナビリティ担当になったから情報発信が増えたということではなく、お客様やステークホルダーの皆様の関心が高まっているので、それにお応えするうちに自然と増えていったのだと思っています」(柳井康治氏)

 情報発信について、柳井康治氏はこう語る。「サステナビリティに対して取り組む方向性や方法は色々あると思いますが、目標は共通ですので、どういうアプローチであるべきかは、多様だと思うんです。どれも間違いではないし、どれがダメということもないはずです。もし違う考え方を持つ方がいらっしゃっても、自分とは違うけど、これもあるよねと思ってもらえたらいいと思っています。自分たちにできることは、ファーストリテイリングは、あるいはユニクロは、このアプローチでいきます、という考えを、できるだけしっかりと正しく伝えていくことしかありません。それが、まだ足りていないのかもしれません」(柳井康治氏)

柳井 康治 氏
記者発表会での柳井 康治 氏

「ドラえもん サステナモード」がグローバルサステナビリティアンバサダーに就任

 中でもメディアを驚かせた発表会は、2021年3月に開催された「ユニクロ『服のチカラ』サステナビリティアンバサダー発表会」だろう。この日、ユニクロは、従来のサステナビリティステートメントに加え、サステナビリティロゴを発表した。同時に、グローバルサステナビリティアンバサダーとして発表されたのは、なんと、緑色の「ドラえもん サステナモード」という新キャラクターだったのだ。

 以来、「ドラえもん サステナモード」は、ユニクロの様々なサステナビリティ関連のイベントに登場している。2023年4月にオープンしたユニクロ前橋南インター店でも、キッズコーナーの壁面に描かれたバタフライ図を案内していた。

ユニクロのグローバルサステナビリティアンバサダーの就任した「ドラえもん サステナモード」
ユニクロのグローバルサステナビリティアンバサダーに就任した「ドラえもん サステナモード」

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記事執筆者

北沢 みさ / MK Commerce&Communication代表

東京都出身、日本橋在住。早稲田大学第一文学部卒業。
メーカーのマーケティング担当、TV局のプロデューサーの経験を経て、
1999年大手SPA企業に入社しマーケティング・PRを12年、EC・WEBマーケティングを8年担当し、ブランドの急成長に寄与。
2018年に独立後は、30年に渡る実務経験を活かし、小売・アパレル業界を中心に複数企業のアドバイザーとして、マーケティングおよびEC業務を支援中。

 

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