顕在化する管理職・経営職候補者不足の問題に、企業はどう対峙すべきか
2010年代後半から「人手不足」が叫ばれるようになって久しい。少子高齢化と労働力人口の減少が続き、改善の兆しは見えず、むしろ今後も悪化の予感しか残さない。なかんずく消費産業の経営を苦しめているのは、「現場のワーカー」もさることながら、「管理職候補」「経営職候補」の不足である。経営層も決して手をこまねいているわけではなく、有望な人材をプロモートしようと必死だ。しかし、その成果は必ずしも芳しくない。本連載では流通業界を取り巻くあらゆる事象について解説していくが、初回となる本稿では、管理職・経営職候補者不足の背景に触れたい。
総人口も労働人口も、減少スピード加速
日本の人口が1000万人を超えたのは1600年ごろのことだ。明治維新以降、1910年ごろには国民所得や公衆衛生の改善で5000万人を突破。第2次世界大戦により一時的に人口増加は足踏みをするが、戦後の第1次ベビーブームなどで67年にはついに1億人を超え、第2次ベビーブームを経て2008年に1億2800万人とピークの人口に達した。
しかし、平成バブル崩壊による深刻な景気低迷の中、第3次ベビーブームは幻と終わり、出生率の減少が続いた。24年の総人口は1億2380万人となり、合計特殊出生率はピーク時の15年の1.46から24年には1.15と2割以上も低下した。人口推計によれば今から30年後の56年には総人口が1億人を割り込むと予想されている。

※写真はイメージmokuden-photos/istock
そして「働き手」である労働人口は、総務省の「労働力調査」(25年)によれば、24年平均で6975万人と対前年比32万人増となっている。しかし、その中身をよく見てみると、
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この記事をさらに読むと、管理職・経営職候補の人材不足を引き起こす社会的な背景や、従来の評価制度が若手社員のモチベーションを低下させている具体的な構造的な問題点について理解することができます。
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