完全に“市民権”を得たネットスーパー さらなる成長に向けたカギとは

高倉照和(スーパーサンシ専務取締役 NetMarket事業本部長)

 ネットスーパーは現在、未曾有の好調期に突入している。ネットスーパーはコロナ禍に需要が急伸し、各社の売上高も大きく伸長した。2021年~23年は毎年売上が倍増するほどの成長率だったが、コロナが収束してからもその勢いは衰えず、現在も好調が続いている。

 とくに首都圏では、イトーヨーカ堂(東京都)が25年2月にセンター出荷型ネットスーパーから撤退したのが大きなインパクトとなった。同サービスから流出した需要を取り込み、首都圏で事業展開する各社の業績は軒並み好況だと聞く。

 ただ、ネットスーパーの好調ぶりは首都圏に限った話ではない。われわれスーパーサンシが展開するネットスーパーのプラットフォーム「Japan Net Market」の加盟企業は都市部からローカルまでさまざまなエリアで事業展開しているが、前年比150%、200%の成長は当たり前で、元々の売上の母数が比較的大きい企業も高い伸びを見せている状況だ。

 スーパーサンシの旗艦店「日永カヨー店」(三重県四日市市)は、店舗で約40億円、ネットスーパーで約10億円を売り上げる繁盛店だが、23年度に約10億円だったネットスーパー売上高が24年度は約10億8000万円と約8%も成長した。

スーパーサンシの旗艦店「日永カヨー店」
スーパーサンシの旗艦店「日永カヨー店」。屈指のネットスーパー売上高を誇る店舗だが、直近では約8%も伸長している

 ではなぜ、ネットスーパーの好調が続いているのか。

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