セブン-イレブンが新CM開始 「嵐」メンバーも登場、そのねらいとは

北野 裕子 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)

セブン-イレブン・ジャパン(東京都/阿久津知洋社長:以下、セブン-イレブン)が、新たなコンセプトのテレビCMを打ち出した。キャッチフレーズは「なにがあるかな、セブン-イレブン」。イメージキャラクターに人気アイドルグループ「嵐」のメンバーを起用した新CMは、これまでとは大きく異なる方向性を示したものとなっている。その内容とねらいとは。

セブン-イレブン・ジャパン 新広告コミュニケーション発表会に出席した(左から)「嵐」の相葉雅紀さん、櫻井翔さん、阿久津知洋社長=9月2日、東京都内

「どこが独りよがりだった」 阿久津社長が明かした反省点

 「今、セブンイレブンは決して順調とはいえない状況が続いている。一生懸命真面目に(商品の)おいしさを追求してきたが、どこか独りよがりになっていたかもしれない。結果としてお客さまの気持ちに寄り添えず、距離ができてしまっているように感じる」。9月2日、新しいCMを披露した新広告コミュニケーション発表会で、阿久津知洋社長はこう語った。

 セブンイレブンは近年、競合他社と比べて商品が割高なイメージを持たれたり、弁当の「上げ底疑惑」が話題になったりするなど、ネガティブな見方や報道がされる機会が少なくなかった。そうした状況をセブンイレブンの親会社、セブン&アイ・ホールディングス(東京都/スティーブン・デイカス社長)も課題として認識。実際、8月にデイカス社長が新たな経営戦略を発表した際には、お客とのコミュニケーションやエンゲージメントが「競合他社に遅れをとっている」と指摘していた。

セブン-イレブン・ジャパン 新広告コミュニケーション発表会で登壇する阿久津知洋社長

 同社がとくに注視しているのが、若年層がセブンイレブンに対して持つブランドイメージの低下と、減少傾向にある来店数だ。デイカス社長は新たな経営方針のひとつに顧客エンゲージメントの強化を掲げ、ブランドの認知度や好感度を高めるために専門チームの強化や刷新を進め、変革するとしていた。

 そうした中で新たに発表されたのが、新しいテレビCMのシリーズだ。阿久津社長は発表会で「お客さまにセブンイレブンの変化を感じてもらいたい。テレビCMの新シリーズをスタートとして、お店に行けば何かあるかもと思っていただけるような、楽しくてワクワクする店づくりを進めていく」と力を込めた。

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記事執筆者

北野 裕子 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

兵庫県出身。新聞社を経てダイヤモンド・リテイルメディアに入社し、ダイヤモンド・チェーンストア編集部に所属。

趣味は国内の海や湖を巡り、風光明媚な場所を探すこと。おすすめのスポットは滋賀県の余呉湖、山口県の角島大橋。

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