無印良品、宿泊・滞在事業を本格展開のねらいとは?

西岡 克(フリーランスライター)

千葉、瀬戸内、近畿の3エリアで施設を拡大

良品計画の長田英知執行役員(ソーシャルグッド事業部管掌)

 23年から順次開業した宿泊施設は、季節によってばらつきはあるものの、総じて順調に稼働しているという。インバウンド客の利用が最も多いのは、豊島にある「MUJI BASE TESHIMA」だ。25年は現地で瀬戸内国際芸術祭が開かれるため、4月以降の予約はインバウンドを中心に埋まっている状況だという。

 また「MUJI BASE KAMOGAWA」は、国内客と海外客の利用割合がほぼ半々で、1棟貸しという特性もあり、家族連れや卒業旅行のグループ利用が多く見られる。

 今後は現在「MUJI BASE」や「MUJI room」を展開している3エリア(千葉、瀬戸内、京都・奈良)内で施設を増やす方針だ。まず足場を固め、その後にエリアを拡大していく考えだ。

 「エリアを限定して、そこで複数の施設を造っていけば、人的な運営効率も高まり、採算性を確実にできる。店舗をハブ(拠点)にして宿泊施設と連携していく」と長田英知執行役員は話す。

 また「施設間で相互に送客する仕組みを構築し、将来的には、MUJI HOTELの施設数を増やす検討もしている。都心部のMUJI HOTELから地域施設への送客も視野に入れている」と事業の方向性を語った。

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