「かかとが踏める革靴」「スーツに見える作業着」 稀代のヒットメーカーが教える開発術とは

2022/12/20 05:55
久保佳那
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「スーツに見える作業着」は1800社以上で採用

Bizセットアップ着画
「WWS」大人のBizシリーズセットアップ

 365日洗濯機で洗えて、着心地がよく丈夫なスーツ「WWSWORK WEAR SUIT)」を開発したオアシスライフスタイルグループだが、もともとは水道工事会社だったというから驚きだ。

 アパレル事業参入のきっかけは、関谷氏が会社を継ぐタイミングで「新たな自社の作業服を作ろう」と考えたことだった。

 「水道会社を営んでいた父は、いつも作業着を着ていた。作業着は働く誇りであり、作業もしやすく快適なもの。しかし、家族でレストランに行くときにも作業着を着ていて、幼心に恥ずかしかった。作業服はTPOを選ぶという認識があった。そこで、作業着の快適さとスーツのフォーマルさを兼ね備えた自社のユニフォームを作れないかと思った」

 難しかったのは生地選びだ。丈夫な生地は世の中にたくさんあるが、丈夫であればあるほど、ゴワゴワして着心地はよくない。スーツに仕立てると、スタイリッシュさに欠けてしまう。

 「丈夫でかつ柔らかいスーツの仕立てにも適した生地はないか。日本中のさまざまな生地メーカーを探したが、納得できるものには出会えなかった。そこで、オリジナルで開発することに決め、2年かけて納得のいく生地を作り上げた」

 もともと自社のユニフォームとして開発したが、「水道屋が作業着として作ったスーツ」に思いのほか反響があり、「うちの会社のユニフォームも作ってほしい」という声が多く集まった。そこで、同社はアパレル部門を立ち上げたのだ。

 「現在では約1800社のユニフォームに採用されている。主に、軽作業や配送、車のメンテナンス、教育現場など、身体を動かす仕事で接客を伴う方々に利用されている」

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