310年の伝統と革新の酒造りを貫く、大関・長部訓子社長に聞く

聞き手:阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
構成:石山 真紀(フリーライター・売場研究家)
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新たな魅力を発揮している「ワンカップ」

──2020年のマーケティングを振り返ってみていかがでしょうか。

長部 一昨年コロナ前からカレーや唐揚げ、チーズと手軽にマリアージュを楽しめる日本酒をコンセプトとした「食マッチ」シリーズの展開をしていましたが、20年はコロナ禍での巣ごもり消費に対する需要喚起ということで、炭酸で割るだけで居酒屋風のしぼりたて本格レモンサワーが簡単に楽しめる「わが家のレモンサワーの素」シリーズの拡充を行いました。

 とくに「わが家のレモンサワーの素」は好調で引き合いも強く、糖類・プリン体・人工甘味料ゼロタイプやグレープフルーツや梅干しといったフレーバー展開、大容量タイプも投入しています。

──基幹ブランド「ワンカップ大関」ではさまざまなコラボレーションやにごり酒の展開で新しい客層を取り込んでいますね。

長部 ありがとうございます。人気アニメ「キングダム」や志村けんさんとのコラボレーションは、「ワンカップ大関」を幅広い年代のお客さまに手に取っていただくきっかけになりました。またラベルデザインにLGBTQのシンボルである6色レインボーをあしらった「ワンカップレインボー」は海外先行発売し、世界8ヵ国で好評をいただいており、日本国内でもダイバーシティ推進月間に合わせ数量限定で販売しました。

 「純米にごり酒 夢見るひつじ」は若年層や女性をターゲットとしたにごり酒のシリーズですが、米の形を羊に見立てたイラストのラベルと上品でやさしい味わいが好評で、TwitterやInstagramといったSNSでも話題にしていただくことが増えました。

 これまでのコミュニケーションはテレビCMがメーンでしたが、当社もコロナ禍を機にブランドの紹介動画を製作したり、SNSの公式アカウントを活用したキャンペーンを実施するなど、オンラインによる訴求にも力を入れるようになりました。

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聞き手

阿部 幸治 / ダイヤモンド・チェーンストア編集長

マーケティング会社で商品リニューアルプランを担当後、現ダイヤモンド・リテイルメディア入社。2011年よりダイヤモンド・ホームセンター編集長。18年よりダイヤモンド・チェーンストア編集長(現任)。19年よりダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長を兼務。マーケティング、海外情報、業態別の戦略等に精通。座右の銘は「初めて見た小売店は、取材依頼する」。マサチューセッツ州立大学経営管理修士(MBA)。趣味はNBA鑑賞と筋トレ

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