アウトドアウェアをストリートファッションに変え市場創造!ノースフェイスの直営店マーケとは
リアルならではの顧客体験を創出する「リペアサービス」
今後はECとの連携がリアル店舗の大きな課題となる中で、「リアル店舗ならではの顧客体験を強化していきたい」と梅田氏は意気込む。
その一環として、現在力を入れているユニークな取り組みが、商品のリペアサービスだ。
「当社では創業の地である富山にリペアセンターを持っています。これまでもお客さまから商品をお預かりして修理を請け負ってきたのですが、そのリペアサービスを、新たな顧客体験として打ち出そうと考えています」(同)。
その「新たな顧客体験」の一例が、単なる修理だけではなく、顧客が好きな素材や生地を組み合わせて「一点もの」の服を作れるアップサイクルサービス(期間限定、受付店舗限定のサービス)だ。
「アパレルメーカーにとって、直接的な購買につながらないリペアサービスは、本来ネガティブなものです。でも、そこにアップサイクルの要素を入れ、お客さまがリペアセンターのスタッフと直接コミュニケーションを取れるようにすることで、新たな顧客体験が生まれ、ネガティブをポジティブに転換できるんです」(同)。
2021年7月に、札幌の直営店で期間限定のリペアショップを開設した際には、顧客が愛用のアウターなどを持ち込み、リペアセンターから出張したスタッフとリペアプランの相談に応じる姿がみられた。思い思いの素材を組み合わせて、一点ものの服が生まれれば、ブランドへの愛着も高まるだろう。顧客とのエンゲージメント強化にもつながる取り組みだ。
リペアセンターのスタッフには、オンラインでも相談可能(期間限定の取り組み)だ。ここでも、ノースフェイスのOMO戦略、リアルの顧客体験をオンラインで再現する試みの一端が垣間見られる。