調達資金総額5兆円超!?世界の投資家たちがSHEINに熱視線を注ぐ理由
創業からわずか十数年で、巨大ファストファッション企業に成長したSHEIN(シーイン)だが、中国国内で事業を展開していないこともあって、同国の一般消費者からの認知度は低いという。中国国内でシーインはどのような存在ととらえられているのか。中国流通に詳しい、フロンティア・マネジメントのシニア・アドバイザーの中村達氏と、同シニア・ディレクターの羅恵氏に聞いた。
名だたる投資ファンドがシーインに出資!
2008年の創業から十数年で、世界中のアパレル企業が注目するファストファッションブランドに成長したシーイン。21年6月時点で、同社は220の国と地域で事業を展開しており、ユーザー数は1億2000万人にもおよぶ。売上規模は日本円で1兆円ともいわれ、巨大ファストファッション企業としてその地位を確立している。
まさに驚異的な成長スピードを誇るシーインだが、その成長も資金調達なくしては不可能だ。中国のビジネスメディアの「レイトポスト(晩点)」によると、20年に行ったシリーズE投資(※注)では、評価額が150億ドル(約1兆6500億円)を超えたという。シーインがこれまでに調達した資金の総額は534億ドル(約5兆8800億円)ともいわれ、多くの投資家がシーインの成長を確信しているのは間違いない。
シーインは公表していないが、複数の中国メディアの情報を総合すると、投資会社には、JAFCOアジア、グリーンウッズ・アセット・マネジメント、IDGキャピタル、セコイア・キャピタル・チャイナ、タイガー・グローバルなど名だたる投資ファンド、ベンチャーキャピタルのほか、中国の総合家電メーカー大手、シャオミ(小米科技、Xiaomi)の創業者が設立したシュンウェイ・キャピタル(順為資本)なども名を連ねる。
直近では、英国に本拠を置くアルカディア・グループ(Arcadia Group)が20年11月に経営破綻したことから、同グループ傘下のファストファッション企業、トップショップ(Topshop)の買収にシーインが意欲を示していると取り沙汰された。この報道以降、シーインの存在はさらに広く投資家に知られることとなった。
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