ローソンストア100が脱100円均一、ミニスーパー化する深慮遠謀

取材・文:若狭 靖代(ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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新たにウェブCMも 新規顧客の開拓に注力

 ローソンストア100ではストアコンセプト刷新の効果として、1~2割の客数増加を期待しているという。加えて、生鮮を扱っていることを知らない層や、CVSなのか100円ショップなのかよくわからない、と感じている層に向けての発信力向上もねらう。

 新ストアコンセプト発表以降、店頭やホームページ、SNSなどで「献立応援コンビニ」を打ち出してきたが、これは既存客に対する発信の意味合いが強い。7~8月を既存客へのアピール期間、9月以降は新規客の取り込みにも注力する期間とし、9月1日には新たにウェブCMを公開する。「昼食を食べ終わったと思ったら夕食の献立を尋ねられる」「何が食べたいか家族に尋ねても『なんでもいい』としか言われない」と苦悩する主婦が、「献立応援コンビニ」を通じて悩みを解消する内容。ローソンストア100について、日常的に食品を買う場所というイメージがまだまだ浸透していない現状を“伸び代”があるととらえ、新規客開拓に意欲的に取り組む構えだ。

 今後、さらなる少子高齢化や消費の二極化の進行が予想されるなかで吉田氏は「これからの日本の食を支える業態として、ローソンストア100は非常にマッチした業態になっていく可能性を感じている」と話す。100円均一の利点を生かしつつも、100円に縛られず顧客充足のニーズをめざし、ミニスーパー(スーパレット)の要素を色濃くするローソンストア100。今後の動向に注目したい。

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