PPIH、GMS改革好調で過去最高業績! 次はドンキ立て直しで打ち出した3つの方針とは
ダブルネームへの転換店を80店から60店に変更
GMS事業のユニーは、ダブルネーム店舗への転換による店舗数の減少で売上高は同5.6%減の4926億円となったものの、帳合統合による粗利率の向上や間接費の削減により増益となった。
特筆されるのが、外出自粛生活で業績が落ち込むGMSが多いなか、既存店を同2.6%増と好調に推移させている点だ。ダブルネーム店舗に転換することなく「個店経営」といった“ドン・キホーテ流”の店舗運営を導入した「New GMS」への改装店が好調で、21年6月期までに計12店を改装。リニューアル店舗平均で売上高を改装前比で23.4%増、客数を同19.6%増と大きく向上させている。
この結果を受けてPPIHは「New GMS」への転換を積極的に推進する方針で、22年6月期にはさらに11店を「New GMS」へ改装する。また、24年6月期までの目標に掲げていたダブルネーム店舗への転換店数を、80店から60店へ減少させる方針を明らかにした。
ダブルネーム店舗への転換についても、20年7月にオープンし好調な「アピタ宇都宮店」(栃木県宇都宮市)を成功例に、今後は「ドン・キホーテ」がテナントとして入居するかたちでの転換を中心にとしていくという。
アジア事業も黒字化
M&Aで北米事業も加速
海外事業ついては、アジア事業では香港を中心に計8店を新規出店したほか、20年10月に発足した日本の農畜水産物の輸出拡大に向けた生産者とのパートナーシップ組織「Pan Pacific International Club (PPIC:ピック)」による日本産食品の販売が収益性向上に貢献し、売上高が同2.4%増の501億円、営業利益が同38億円増(前期は4億円の赤字)となり初の黒字化を達成した。
北米事業も21年4月に老舗高級食品スーパー「ゲルソンズ(Gelsons)」の持株会社GRCYホールディングスを買収した効果もあって増収増益となっている。