業績堅調なケンタッキーフライドチキン、「テイクアウト専門店」注力で狙う、新たな鉱脈とは?
デリバリー導入店を約3倍へ 今後のテイクアウト・デリバリー戦略
ここのところようやくイートイン利用も回復してきたものの、「コロナ前の水準にはまだ至っていない」(丸山氏)という日本KFC。これを受けて、日本KFCはテイクアウトおよびデリバリーの強化に今後も注力する。21年5月末現在、デリバリー対応店舗は自社デリバリーとウーバーイーツなどの代行デリバリーを合わせて全国で374店舗。コロナ禍以前は200店舗強の導入数だったことを考えると、この1年急ピッチでデリバリーの整備を行ってきたといえるが、これを23年期末までに600店舗程度まで増やすという。
テイクアウト専門店も積極的に出店をめざす。全国で1138店舗(21年3月末時点)を展開するKFCだが、それでも地方などからは「食べたいが遠くて行けない」という声が寄せられることがあるという。都市部での小型フォーマットとしてのテイクアウト専門店だけでなく、地方でもニーズのあるところに低コストで出店しニーズを充足するという役割もテイクアウト専門店にはある。テイクアウト専門店の新たな出店予定はすでに数店舗あり、いわゆる“駅ナカ”のような立地や、ショッピングセンターの敷地内などを検討中だ。
丸山氏は、「どのような時代の変化があってもKFCとして、手づくり調理やおいしさなど変えてはならないこともある。ただし、それ以外の利便性や利用のしやすさなどについては、これからも創意工夫しながら積極的にチャレンジしていきたい」と語った。コロナ禍でゲームチェンジが起こった外食業界。KFCはその知見とノウハウをもとに、アフターコロナの世界でも成長をめざす。