業績堅調なケンタッキーフライドチキン、「テイクアウト専門店」注力で狙う、新たな鉱脈とは?

若狭 靖代(ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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テイクアウトだからこそ必要な動線の工夫

 テイクアウト専門店で行った具体的な施策としてはまず、動線の工夫がある。KFCに限らず、テイクアウト比率の高い店舗ではよく見かける光景だが、注文前のお客と受け取りを待っているお客が入り混じり、人の流れが滞ることがある。これはお客・スタッフ双方にとって不便を生むため、新たに出店したテイクアウト専門店では動線を整理し、スムーズな購入ができるようにした。

 この工夫は、コロナ禍でテイクアウト比率が高まっている通常店にも取り入れていく予定だ。ウーバーイーツなどの代行デリバリー導入店舗ではすでに、配達員が商品を受け取るための専用の入口や、受け取りロッカーを設けたところもある。動線の整理はごく基本的な施策ともいえるが、KFCのようにテイクアウト比率の高いチェーンでは、効率化や店舗滞在時間の短縮、不必要な接触を防ぐ感染防止など、何重にも効力を発揮している。

 また、中野五差路店では、省力化に加えて非接触ニーズへの対応として、無人レジを導入した。これも通常店への導入をテスト中で、テイクアウト専門店はKFC全体のよりよい店づくりの試金石としても役立っていそうだ。

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