業績堅調なケンタッキーフライドチキン、「テイクアウト専門店」注力で狙う、新たな鉱脈とは?
なぜKFCはコロナ禍で絶大な強さを発揮したか?
コロナ禍の影響を強く受けた21年度3月期を振り返り、丸山氏は「テイクアウトの需要急増に、即座に対応できるノウハウを持っていたことが強さの秘訣」と語る。売上増の要因は客数そのものが増加したことや、テイクアウトで1人あたりの購入金額が増えたことなどが挙げられるが、これらを支えたのはもともとのテイクアウト利用が多かったことで培われたノウハウと、洗練されたオペレーションだ。
それまでイートイン(店内喫食)利用がメインだった飲食店では、テイクアウトの導入や、テイクアウト注文が急に増えたことによってオペレーションの構築がうまくいかず、チャンスを逃したケースも少なくない。その点KFCは、クリスマスなどの注文殺到にも耐えうる強靭なオペレーションで苦難を乗り越えてきた。
また、「KFCはテイクアウト」という世間のイメージもコロナ禍での顧客取り込みに一役買った。持ち帰って家族で食べるもの、イベント時にみんなで食べるもの、というイメージは、コロナ禍で「外食ができない→自宅で食事として皆で食べたい→KFC」という連想を呼び起こしやすかったのではないかという。