エディオン、地域密着「暮らしコンサルタント」戦略で21年3月期決算は過去最高益
点でなく面で売る「計画的消費」で緩める財布のひも
同社の販売戦略は、その意味ではしっかりとリターンが得られる「計画的消費」の提案ともいえ、これからの小売りが参考にすべきヒントが凝縮されているといえる。
同社がもう一つ強化するのが、教育事業だ。オンラインでプログラミングが学べるスクール事業では2025年までに会員数10万人を目指すという同社。教育のIT化はスタートしたばかりだが、PC、タブレットなどのハードウェアの他、教材などのソフト関連の新たな需要が生まれることは確実で、ここにも「計画的消費」を推進する果実がたわわに実りつつある。
苦境のリアル店舗はどうすれば生き残れるのか
リアル店舗による小売の行く末は厳しい見方がほとんどだが、売り方を変えることでまだまだ可能性はある。同社の進化のプロセスは、まさにそれを実証している。
外出が減り、ECに小売の軸が移っても、どこかんい新たなニーズが必ず生まれる。テレワークが浸透すれば、自宅のワークスペースを充実したくなる。仕事ツールを充実させていくと、仕事部屋が欲しくなる。教育のオンライン化が浸透すれば、PC需要は高まり、子ども部屋に求められる要素も変質するーー。
先取り、囲い込みは競合に勝つためには必須の戦略だが、同社はじわじわと領域を広げながら、着々と新しい形の家電量販店のポジションを構築している。気が付けば、EV化が進む自動車販売店をも取り込み、正真正銘の「暮らしのコンサルタント」して確固たるを気づき上げるーー。そんな日がくるのもそう遠くないかもしれない。