エディオン、地域密着「暮らしコンサルタント」戦略で21年3月期決算は過去最高益

油浅 健一
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家電量販店が掲げる「コンサルタント」の意味

 「地域密着型の家電量販店」を謳う同社が掲げるのは「暮らしのコンサルタント」。家電量販店として、地域に根を張りながら、顧客に対しては一家電の販売に留まらない提案をする。それにより、顧客により深い満足を提供する。だからこそフェイストゥーフェイスの接客が重要になる。その核となるのがリフォーム事業だ。

  省エネ家電の購入に来た顧客に、リフォームも含めた提案をすることで、光熱費の削減まで含めた生活コスト低減のアドバイスが可能となる。顧客にとっては動くお金は一気に大きくなるが、中長期ではメリットがあり、あながち無下にもできない側面はある。こうした提案において重要なのは、顧客との信頼関係。それだけに、「地域密着」が重要な要素となる。

  ある意味では、金融商品に通じる販売スタイルを採用することで、同社は家電量販店でありながら「スマートな暮らし方」というメリットを提供する。それが、同社が「暮らしのコンサルタント」を掲げる真意だ。

  すでに同社の大きな柱のひとつとなっているリフォーム事業では、水回りや外壁といった古くなったから買い替えるというニーズではなく、よりよい生活をするために「生活を変えるためのリフォーム」をターゲットとするという。旧来のリフォーム業者とはしっかりと棲み分けしている点でも、同社の戦略はしたたかだ。

  たとえコロナが終息したとしても、日本経済の行く末は閉塞感しかなく、消費者の財布のひも固くなるばかり。一方で、本当に必要なものにはしっかりとコストをかける傾向も鮮明になっている。

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