20年度決算は減収減益の日本アクセス ファミリーマートとの協業による業績回復の戦略とは
ファミリーマートの店舗で実証実験
「②事業モデルの変革」では、コロナ禍で業績が落ち込んでいるCVSの立て直しを最大の課題に位置付ける。同じ伊藤忠商事(大阪府/岡藤正広会長CEO)傘下のファミリーマート(東京都/細見研介社長)との連携を強化し、「CVS物流改革推進部」では同社からの出向社員を7人受け入れ、受発注の効率化などサプライチェーン全体の最適化で協業する。また、ファミリーマートの日商アップのため、日本アクセス傘下のファミリーマートのメガフランチャイジー企業が運営する店舗では商品提案の実験などを実施する。外食については、取引先の業態転換などの支援に力を入れるほか、飲食店向け発注システムの開発や、ロスが出にくく使いやすい商品の開発にも取り組む。
「③業務改革とDXの推進」では、デジタル販促やデータ連携などで小売業を支援する「情報卸」としての取り組みを強化する。すでに小売業5社との実証実験を終え、21年度は本格展開を開始。合計10社への導入をめざす。「すでに導入した企業のなかには、月間売上が1億円以上伸びているという効果も出ている」と佐々木社長は話す。また、小売業だけでなくメーカー向けサービスの開発も21年度から開始する。
日本アクセスはこのような取り組みにより、21年度では売上高2兆1800億円(同1.5%増)、経常利益218億円(同22.1%増)、経常利益率1.0%(同0.2ポイント増)、親会社株主に帰属する当期純利益147億円(同50.6%増)をめざす。