[東京 9日 ロイター] – アサヒグループホールディングス(GH)の勝木敦志社長はロイターとのインタビューで、海外でのⅯ&A(合併・買収)戦略に関連して、当面は有利子負債削減を優先する考えを示した。
アサヒGHは19年に英フラーズ社から高級ビール事業などを取得、20年には豪ビール最大手のカールトン・アンド・ユナイテッド・ブルワリーズ(CUB)を買収した。
勝木社長は今後のⅯ&A戦略について、20年12月末時点で6倍ある純有利子負債/EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)倍率を3倍に減らすことが先だと述べ、「(達成するまで)基本的には大型の買収は考えていない」とした。
日本や欧州などの主要市場では、商品の「プレミアム化」を図ることで、提供価値や利益を重視した経営を進めていく考えを明らかにした。
勝木社長は、国内のビール消費量は25年ほど前から減少していると指摘。欧州やオセアニアにおいても大幅な販売数量の増加は見込めないため、「従来型のボリュームを追いかけて収益がついてくるという経営はできないと思っている」と述べた。
そのうえで、富裕層などをターゲットとする商品のプレミアム化を進め、「消費者への提供価値を高め、収益を取っていける」経営戦略を拡大するとした。
勝木氏は今年3月、小路明善前社長の後任として社長兼最高経営責任者に就任した。
インタビューは8日に実施した。