経営効率を向上し、確実に利益を生み出せる仕組みをつくる=バロー 田代 正美 社長
再来年から出店地域を拡大 関西での出店も強化
──09年4月の師勝店出店以来、EDLP(エブリデイ・ロー・プライス)を価格政策とする店舗を徐々に増やしています。成功モデルは見えてきましたか。
田代 たとえば、EDLPの代表的な企業である米ウォルマートの店舗は、無機質なイメージが拭えません。いつも決まった売場と商品で、変化に乏しい。
これに対し、当社がめざすのは、生鮮食品の売上構成比が高く、季節や催事などで、ある程度売場を変化させる店です。東京のような大都市は別かもしれませんが、変化のない店舗は地方にはなじみません。
当社のEDLP型店舗は6店舗になりました。これまで売場面積400坪と650坪の2つのサイズでテストしてきました。現在のところ、適正フォーマットと考えているのは650坪です。
生鮮食品を強化しているわけですが、生鮮食品は相場に左右されやすいことがデメリットです。安定的な利益の源泉となるのは、グロサリーになります。グロサリーの売場をできるだけ確保しようとすると、400坪では小さい。やはり650坪程度必要になるのです。
EDLP型店舗の可能性を検証しましたが、すべての地域、立地で通用するわけではないというのが現在の評価です。
既存店舗をEDLP型に切り替えるのはそう簡単ではありません。既存店舗のイメージが定着しているため、EDLP型に転換すると、お客さまが離れてしまう可能性があるのです。ですから、今のところ一気に既存店舗をEDLP型店舗に切り替えるつもりはありません。
EDLPはやはり、日本においてはまだまだニッチな存在だと思います。今後も出店は続けますが、マーケットや物件を見極めながら出店していく方針です。
──積極出店を続けていますが、今後は出店エリアも広がるのですか。
田代 当社では東海地区をベースに、北陸地区や関西地区でも店舗展開しています。今後1年間は、この商勢圏で出店をしていきますが、再来年以降は、新たなエリアへ進出する考えです。
これまで、ドミナント化を進めてきましたが、自社競合が多くなり、メリットが薄れてきています。商勢圏に出すなら、SM以外の業態でエリアを固めたほうがいいと考えています。
──再来年から、具体的にはどのエリアへ出していきますか。
田代 現在、出店地域は東は静岡県までですが、さらに東への店舗展開も検討します。また、西は滋賀県まで出店していますが、関西地区でも出店地域を拡大します。京都府でも出店を検討していますが、小さな物件が多いため、大型の店舗は難しいかもしれません。
それと連動して、たとえば滋賀県などで配送拠点を設置することも検討しています。いずれにしても、具体化するにはもう少し時間がかかるでしょう。