アパレル大手のワールドは2月3日、希望退職の募集を含む構造改革の追加実施を発表した。同社は2020年8月に希望退職募集とブランド統廃合を柱とする構造改革の実施を明らかにしたが、新型コロナウイルスの感染拡大が長引き、アパレル販売の落ち込みが続いていることから、さらなるコスト削減に踏み込む。
希望退職はグループ会社のフィールズインターナショナルとワールドストアパートナーズで実施する。対象は21年4月20日時点で40歳以上の社員(店舗従業員を除く)で、3月9日から19日まで約100人を募集する。20年9月に募集した希望退職では、約200人の募集に対して294人が応募した。
ブランドについては、「ジェット」など7つを廃止、そのほかグループ会社間でブランド統合を進める。統廃合の対象となるブランドを含めて、22年3月期に450店舗を閉鎖する。
ワールドは同日、21年3月期連結業績予想の下方修正も発表した。20年8月に発表した従来予想では67億8000万円の営業赤字を見込んでいたが、赤字が222億円(前期は123億円の黒字)に膨らむ見通しだ。
新型コロナの影響で都心部の駅ビルや百貨店を中心に売上げは厳しい状況が続いており、通期の売上収益は前期比24.7%減の1780億円と従来予想を212億円下回る見込みだ。1株当たり59円を見込んでいた年間配当は無配とする。