コロナ禍でも好調、とくし丸の現在とこれから

提携SMは140社!客数・稼働台数も堅調に増加
オイシックス・ラ・大地(東京都/髙島宏平社長)傘下で移動スーパー事業を営むとくし丸(徳島県/新宮歩社長)。2020年10月には沖縄県での事業を開始し、47都道府県すべてでサービスを展開することとなった。近年は移動販売だけにとどまらず、その役割が拡張しつつあるという。そんな同社の現状と今後の目標を取材した。
月間流通総額は5年で約5倍に

とくし丸の設立は12年1月。創業者で、現在は取締役ファウンダー・新規事業担当の住友達也氏が、自身の母親が買物に困っていることから徳島県で事業を開始したのがきっかけだ。日々の買物に苦労している「買物難民」を手助けするため、スーパーマーケット(SM)から商品供給を受け、移動販売を個人事業主が請け負う独自のビジネスモデルで事業を拡大してきた。16年5月にはオイシックス・ラ・大地の子会社となっている。
移動販売車の稼働台数は、20年12月時点で671台。直近2年では年間130台を超えるペースで増加している。それに伴い流通総額も順調に伸長しており、現在は月間平均13億円ほど。オイシックス・ラ・大地の傘下に入った16年と比較すると約5倍にまで拡大した。
コロナ禍では通常のSMと同様、移動スーパーを展開しているとくし丸も好調だ。販売車1台の1日当たりの売上は、以前は約9万1000円だったが、感染拡大直後は約10万7000円までに伸長した。現在はやや落ち着いているものの、対前年同月比約10%増を維持している。
好業績を支えているのは、客数・客単価の増加だ。とくし丸の新宮歩社長によると、コロナ禍で従来の顧客がこれまでコンビニエンスストアなどで購入していたものもとくし丸で購入するようになったという。また、新規顧客も増加している。これまでは近くに住む子供やその配偶者が高齢の親の代わりに買物していたが、感染リスクを避ける観点から親の元に行けなくなったというケースが多くなっており、とくし丸の利用につながっているとのことだ。「3密」を回避できるため、店舗に行かずに買物できるとくし丸のメリットがあらためて支持されている。現在は1日に1台当たり平均50~60人が利用しており、客単価は2000円ほどとなっている。

移動販売の利益率は約6~7%
とくし丸と
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