1店まとめ買い×低価格ニーズのいま 安くない店は負ける!仕組みに裏打ちされたディスカウンティングに取り組め!
EDLPを軸に「安さ」を常態化
では、有力企業各社はどのような価格政策を行っているのか。
多くのSMではチラシを配布し、当日限りの特売を実施して集客を図る「ハイ&ロー」を展開しているが、近年ではハイ&ローと並行して年間を通して同じ低価格で商品を提供する「EDLP(エブリデー・ロー・プライス)」を導入する企業も増えてきた。チラシなどによる販促費を抑えられるほか、いつ来店しても同じ低価格であるため、「安い」というイメージをお客に浸透させやすい。コロナ禍では特売によるお客の密集を防げるほか、お客にとっては自分の都合のよいタイミングで来店できるといった利点もある。
EDLPは年間を通して同じ低価格を実現するというのが基本だが、それより短い期間で実施する場合もある。北信越から北関東にまたがるリージョナルチェーンのアクシアル リテイリング(新潟県/原和彦社長)傘下のSM企業、原信(新潟県/原和彦社長)とナルス(同/森山仁社長)は、19年9月から、約2カ月間対象商品の価格を引き下げる「ロングランプライス」というプログラムを導入した。もともと両社は「パワープライス」という1年ベースでのEDLPを展開していたが、対象商品は加工食品や日配品、プライベートブランド(PB)が中心だった。SMとして価格で集客しやすい生鮮食品は相場の変動を受けやすいため、対象にすることが難しかったためだ。そこで導入されたのがロングランプライスで、約2カ月間ながら一定の期間同価格で生鮮食品を提供できるようになったことで、コロナ禍でも好評を博している。
そのほか、顧客に安さをアピールする手法としてイオン傘下の小型ディスカウントストア(DS)、ビッグ・エー(東京都/三浦弘社長)とアコレ(千葉県/同)が取り組んでいるのが、「2 ケタ売価」の強化だ。ビッグ・エーやアコレでは、入口近くの平台やゴンドラエンドで「99円」など2ケタ売価の商品を配置。プライスカードのサイズも大きめで、店舗に入った瞬間にその安さがお客に伝わるようにしている。
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