客単価4000円!?塚田農場のエー・ピーがフードデリバリー専門店「キッチンクラウド」でねらうターゲットと勝算

若狭 靖代(ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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“第二の家庭のキッチン”をめざす

 委託デリバリーではなく、自社でデリバリーを行う点も差別化要素のひとつだ。コロナ禍でウーバーイーツや出前館など委託デリバリーサービスは著しい成長を見せたが、消費者の目線で見れば、委託デリバリーは割高感が強く、不特定多数の配送員が届けることによる不安感も残る。これらの問題点に対し、良いものを安価で、安心感をもって提供するためには自社配達が必要と判断した。旗艦店となる「キッチンクラウド綱島店」では、4名のデリバリースタッフがバイクで配達を行う。

荷台に積み込まれた料理
配達に使用するバイクの荷台。広々としていて清潔感がある

 こういったキッチンクラウドならではの食体験の演出は、デリバリーそのものへのネガティブイメージを払拭する目的もある。今までの「デリバリーは、利便性重視の個食需要と、来客や祝い事などのハレの日需要に二極化していた。ファミリー層のデリバリー需要はこれまで後者がほとんどだったが、これを『日常の食卓』にまで拡大するのがキッチンクラウドの狙い」と近内理恵氏。しかしそこで障壁になるのが、デリバリーを頼むことに罪悪感を抱いたり、品質面で不安を抱いたりする消費者が少なくない点だ。品質にこだわった丁寧なサービスによってこういったイメージを払拭し、“第二の家庭のキッチン”としてのポジションをキッチンクラウドはめざす。

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