こんにちは、成田直人です。新型コロナウイルス(コロナ)が収束するのか、終息するのか全く先が読めない中、9月の敬老の日・秋分の日を含んだ4連休はレジャー中心に賑わいを見せました。この時以来、本格的にウィズコロナの時代に突入したのではないかと個人的には思っています。今後の店舗経営はどうなっていくのか?多くの経営者や店長が不安や心配しているのは日頃接しているのでよくわかります。今後店舗に求められること、ファンを創造して強い店を作っていくにはどうしたらいいのか?今回は私が企業研修やコンサルティングの場面で伝えていることをお話しします。
ウィズコロナの店舗経営のキーワードは 強みに集中
今後の店舗経営において重要な視点の一つに「強みに集中する」が挙げられます。これまでは標準化することが店舗経営においてとても重要視されていました。常に需要が供給を上回っている状態だったため(インバウンド含めて)すべてのお客さまに一定のサービスを供給することが店舗に求められたのです。
基本的には本部の命令に現場は従い、ミスなく滞りなく運営することが必須でした。しかし、コロナになりお客さまの数は極端に減り、「供給過多」の状態になりました。ミスなく滞りない店を作っても肝心のお客さまがいない、外国人も観光客も来てくれない・・・とても厳しい状況が続いているのです。
この状況下で大事なことは、どうしたら来店してもらい、ファンになってもらうことができるのか、です。
ではそれをどのようにすれば実現できるのかといえば、「口コミが広がる強みを持つこと」、です。ありきたりな店になることが一番もったいない(経営が難しくなる)です。市況がよく売れている時は工夫をしなくても勝手に売れますが、コロナ禍においては「見つけてもらう」「来店してもらう」という2点の難易度がとてつもなく高まりました。見つけてもらえなければそもそも来店すらしてもらえない、という悲惨な結果になってしまいます。今まではチラシ広告(オンライン広告)を打てば見つけてもらったのですが、今は費用に見合わない業界が増えました。
「見つけてもらう」「来店してもらう」「ファンになってもらう」方法
私はクライアントに対して、「お客さまから『見つけてもらう』『ファンになってもらう』ためにも自店舗の強みに特化しましょう」、といつも話をしています。自店舗の強みに集中することで集客もできるし、ファンにもなってもらえる、さらにはSNSで拡散もしてもらえるという一挙両得に繋がります。
例えば「子連れ」に特化した店づくりをすれば「この店は子連れに優しい!」「子供を安心してキッズスペースで遊ばせられる」「子供がキッズルームで集中して遊ぶ姿を見てこの店は子供心をわかっている」と顧客がグーグルマイビジネス(Google マップ)に口コミをしてくれるようになります。子連れに優しいという強みは過去お客さまが訪れた店の中でも上位であれば何度も足を運んでくれる上(ファン化)、グーグルマイビジネス以外でもツイッターやフェイスブックなどで写真付きで店舗を紹介してくれることで口コミで集客をすることができるようになります。
当社のクライアントはファミリー層に特化した店舗が多いため今回は子連れに焦点を当てた事例を紹介しましたが、あなたの店は他店と比べて何を自信持って提供できますか?商品やサービスでも接客でもなんでも良いです。お客さまが店を選ぶ理由になっているキーワードを探してみましょう。それを発見し、集中して開拓することで顧客感動は強化され口コミが起こりやすくなります。
子連れを強みにした当社クライアントの店舗のお手洗いには、「各サイズのおむつ(小包装)」「おむつを変える台」「子供用便座」「子供用お尻拭き」など一通りアメニティが用意されています。もちろん店内環境も1日4回、除菌を全スタッフで行っているので衛生面も問題ありません。お客さまが安心して店内を利用し、お子さまも安心して遊べる空間、さらには子供の集中力を引き出しご両親がゆっくりと商品やサービスを体験できる空間を作る、お手洗いだけではなく、什器の角に緩衝材をつけたり、キッズスペースのおもちゃも1時間ごとに消毒(消毒工程も張り出している)したりしています。
結果的に「子連れに優しい」「安心して子供を遊ばせられる」「子供が飽きないキッズスペース」と口コミをいただくことでグーグルマイビジネスを見て来店されるお客さまが急増しています。新規集客が口コミなので店舗との親和性も高く成約率と単価が高いのが特徴です。集客コストにお金をかけないのでその分顧客の過ごしやすい環境づくりに投資することができます。
よりよいキッズスペース、より綺麗なお手洗い、より使いやすい什器に投資することができる好循環が確立できるようになります。ぜひあなたのお店も強みに集中してターゲットとしている顧客に「見つけてもらう」「来店してもらう」「ファンになってもらう」この3点を実現できるように取り組んでいきましょう。
今日紹介した活動は必ずこのコロナ禍においても間違いなく地域のお客さまの来店を促し、強い組織を作ることにつながるはずです。ぜひ今回紹介した強みに集中するセンターピンを見つけて少ない労力で大きな成果を作っていきましょう。
なりた・なおと
19歳でABCマートアルバイト個人売上日本一を獲得。マネージャーになり昨年度対比1位、2位の原動力となる。その後、PC専門店PCデポに入社し、7ヶ月で個人売上1億円を達成。翌年、「良い」よりも「成果が出る」をモットーに小売・サービス・飲食業専門コンサルティング会社「株式会社FamilySmile」を創業。現在は、一部上場企業を中心にコンサルティング・研修・講演を手がけ多くの店舗で昨年度対比120%を達成。中には、3年で売上2倍になる店も続出するほどコンサルティングには定評がある。その功績が認められ日本三大褒章の一つ中小企業のノーベル賞と言われる「東久邇宮文化褒章」を受賞。セミナー講師ナンバーワン決定戦「S-1グランプリ」初代グランプリを獲得。