強者はコロナでさらに強く!既存店売上が70%台でもサイゼリヤ堀埜一成社長が「楽しげ」な理由
聞き手:
阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
構成:
大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
コロナ禍での外出自粛生活により多くの企業が業績不振に陥っている外食業界。そうしたなかイタリアンレストランチェーン「サイゼリヤ」を展開するサイゼリヤ(埼玉県/堀埜一成社長)は、すでに店舗運営における抜本的なコスト削減や、テイクアウトサービスの提供などに動いている。広がりを見せる中食市場を含めて今後いかに成長を図るのか。堀埜社長に聞いた。
価格末尾を00円・50円に統一した意外な効果
──コロナ禍で「サイゼリヤ」の利用動向はいかに変化していますか。
堀埜 以前と比較して顕著なのはファミリー層の来店が少なくなったことです。子供への感染リスクの懸念があるからでしょう。
既存店売上高は、全国的に緊急事態宣言が発令された4月に対前年同月比で38.6%まで落ち込みましたが、直近の8月には同71.5%まで回復しました。
足元の数値で留意してほしいのは、営業時間を22時までに短縮させ、さらに人と人との接触リスクを抑えるために店内の席数を減らしている点です。稼働率は前年同月と比べて7割程度であることから、現在営業できる範囲ではお客さまの利用を獲得できていると考えています。
──一方で、客単価は好調です。8月は同101.8%と伸びています。
堀埜 大きな要因は価格改定です。7月1日から、精算時の釣銭の受け渡し時間を減らすために、全メニューの税込価格の末尾を00円または50円に統一しました。
有難いことに価格改定を機に、
続きを読むには…
この記事はDCSオンライン+会員限定です。
会員登録後、DCSオンライン+を契約いただくと読むことができます。
DCSオンライン+会員の方はログインしてから閲覧ください。
聞き手
阿部 幸治 / ダイヤモンド・チェーンストア編集長
マーケティング会社で商品リニューアルプランを担当後、現ダイヤモンド・リテイルメディア入社。2011年よりダイヤモンド・ホームセンター編集長。18年よりダイヤモンド・チェーンストア編集長(現任)。19年よりダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長を兼務。マーケティング、海外情報、業態別の戦略等に精通。座右の銘は「初めて見た小売店は、取材依頼する」。マサチューセッツ州立大学経営管理修士(MBA)。趣味はNBA鑑賞と筋トレ
構成
大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長
1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。
最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士