三幸製菓 佐藤元保CEOが語る「購買行動の変化に 合わせた商品開発 」
キャラクターを使って訴求
──三幸製菓には強く支持されているロングセラー商品が数多くあります。
佐藤 「雪の宿」のほか「チーズアーモンド」「ぱりんこ」など、多くのお客さまに支持いただけるブランドが複数育っているのは、当社の大きな特徴といえます。会社設立は1962年、米菓業界では後発組です。振り返れば、少しでも先行する企業に追いつき、追い越そうという思いで、業界の常識にとらわれない冒険的な発想で商品を開発してきた結果といえるかもしれません。
──現在、クリアすべき課題、問題点はありますか。
佐藤 まず企業の認知度が低いこと。ある調査によれば60%台との結果でした。知っている方は多い一方で、社名を聞いたことがない人も一定数いらっしゃる点が問題です。今後、もっと多くの方に知ってもらうよう努力する必要があります。
また商品へのイメージを刷新することも大きな課題です。たとえば「雪の宿」。発売は1977年、今年で43年目を迎えた歴史ある商品であることも関係していますが、一般には「おばあちゃんの家にあるお菓子」という印象を持たれているようです。当社商品のおもな購買層は現状、40~50歳代以上。これに対し、従来とは違う要素を取り入れることで、新しい層のお客さまにも買っていただけるようにしたいと考えています。
──商品へのイメージについては、具体的にはいかに刷新を図りますか。
佐藤 ひとつは、キャラクターを使った手法。「雪の宿」には、「ホワミル」というゆるキャラがあります。「やど村からやってきた生クリームの妖精の男の子」という設定で、誰にでも愛されるかわいらしいデザインが特徴です。昨年9月、新しい味として「雪の宿 黒糖みるく味」を発売したのですが、同時にホワミルの妹分の公式キャラクター「チャミル」を登場させました。お客さまからは好評で、同様の取り組みを他の商品にも順次、広げていきます。
「ぱりんこ」は今年45周年を迎えるロングセラー。おやつとして出す幼稚園、保育園も多く、とくに小さなお子さまに人気があります。そんなイメージをより多くの方に知ってもらうため、かわいらしいキャラクターを使った展開を進めているところです。8月5日を「ぱりんこの日」に制定しており、認知してもらえるような企画を工夫します。